新年明けましておめでとうございます。
今年は年末年始の休暇が長かったせいかまったくお正月感がしませんでした。
個人的にはお正月休みが長すぎると飲酒量も多くなり、健康上よくないので、仕事が始まり生活リズムが戻ってきてほっとしています。
さて、本年も仕事が始まり本年の目標を掲げたいところですが、今回はWeb制作会社で自社オリジナルのサービスを作るうえで注意したいことを挙げてみます。
毎年のように何かヒットするもの作りたいと思っているので、特に今年に限って大きな目標を掲げるのではなく、作るため、アイデアを実現するために注意したいことを書いてみます。
タイトルにある通り、少人数の小さな制作会社が受託制作と並行して進めるために気をつけたいことですので、すべての会社に当てはまることではありません。
当社で今までやってきた反映も踏まえてのことですので、毎年うまくいかないけど今年こそはサービス立ち上げたい!という小さな制作会社の参考になればと思います。
目次
Webサービスなのかアプリなのかより何をしたいか。
最近はやたらとスマートフォンアプリが注目を浴びているので「アプリ=儲かる」という発想のもと、何でも良いからアプリを作ろうと思ってしまいがちです。確かに制作会社としてアプリ開発の技術を習得して実績を積むことは受託開発の面では期待が持てますし、会社としても重要なことです。ただ、自社で運営するサービスを作ろうと思った時必ずしもそうではありません。
弊社でもアプリ開発に取り組むことを目標として、まずアプリを作ろうという漠然としたプランの元、「さて、何を作りましょうか、」となったとき、ろくなアイデアもなく2年間くらい何も作れていません。
サンプル的にちょこちょこと作りましたが、アプリで提供することの意義のあるアイデアがなかったのが原因です。
技術検証として把握することは無駄ではありませんでしたが、まずはアイデアありき、何をしたいかです。
会社でやる以上利益度外視するわけにはいきませんが、利益から練りだすアイデアだと、たいてい作っている当人も面白くないしろくなものは仕上がりません。
技術的な部分は得意な方法で出来る方向に考える。
前述のアプリの話と繋がりますが、アプリでもスマートフォンサイトでも提供するサービスによっては大差ないように思います。それであれば、まずは自分たちにできる言語などで作ってみるのが先決です。
Web系のプログラマーがやったことのないアプリなどにチャレンジすることも大事ですが、小さな制作会社で受託制作をメインでやっていると、よほど開発が好きで家でもガシガシ勉強できる人でないと時間がありません。
会社という組織の中で働いていると、自発的に休日まで返上してスキルを高められる人というのは限られていますし、会社もそこまでを要求するのはなかなか難しいところです。
であれば自分達が受託制作で培ってきた技術を元にアイデアを実現することを考えたほうが現実的です。
外注で開発するという手もありますが、小規模な会社ですと費用面などで割りに合わなかったり、自社で運用などしていくうえではその後のメンテナンスを考えると自社で開発するのが一番です。
もちろん大人数で開発技術を高めるだけのチーム体制を組める会社ではその限りではないと思います。
サービスを使う人のイメージを想像できるものを作る。
当社では創立直後、流行っているからという発想でSNSを作ってみたりもしましたが惨敗しました。それは使ってくれる人の姿が想像つかなかったからだと思っています。
現状弊社で運営していて、収益面含めてそこそこ運用できているのは3サービスです。
COLORBOX
バグ管理サービスです。
すでに有名なバグ管理ツールはありますが、現場で使っていて、割とずぼらなエンジニアと管理者がコミュニケーション取れるようにと開発しました。実際当社では毎日のように使っていますし、カスタマイズ導入などのお話もいただきました。
Grmo
グループウェアです。
実際に受託案件で他社様のグループウェアをカスタマイズして使いたい、こういったカスタマイズは可能か?といった相談を多くいただき、それであれば自社で作ってしまおうと開発しました。
使っている現場レベルだとかなり我侭なカスタマイズをしたくなるというのは分かっていたので、そういった声に応えられるサービスにしています。
ノミトモ
居酒屋のカウンターで独りでスマホいじってる人や知らない人に話しかけようとしている人が使っていることをイメージして作りました。
会社の飲み会は嫌いだけど、誰かと飲みにいきたい、仕事とか関係なく飲み友達が欲しいという人は多くいます。
SNSのコミュニティーなどでも飲み友募集をしている方が多くいたので、飲み会に特化したサービスということでリリースしました。
BtoCでもBtoBでも使ってくれる人を想像できるものは何かしら需要があるように思います。
それは自分自身が使わなくても、受託制作や現場の声、普段生活している中での声でも良いと思います。
以前プリラボというプリクラサービスを作りましたが、これは30代後半の私には使っている人のイメージがまったくついていない状況でやったので完全に失敗でした。
この失敗の教訓ですが、サービスを作る際に責任ある立場、決定権のある人間がユーザーをイメージできるサービスを作るというのは小さな会社ではかなり重要なことです。
最終的には会社で作ったものの失敗は会社の失敗であり経営陣がGOを出したなら経営的な失敗だと思います。
(もちろん現場レベルで何が原因だったかきちんと反省することは必要だと思います。)
ですので、アイデアはアイデアとして決定権のある人が使っているシーンをイメージ出来るまですり合せて、いけると思ったら作ったほうが良いです。小さな会社では大きな会社のように量産できるほどの時間と人がありませんので。
受託制作との優先順位をうまく付ける。
受託制作をメインの収入源としていると受託の依頼があった時は、社内のものを投げ出してそちらにいきがちです。確かにクライアントをおろそかにするわけにはいきませんが、クライアントがそんなに焦っていない場合は、社内のことをきちんと優先して進めるという選択肢も視野にいれていくべきです。
「受託制作と同時並行で進めるとどうしても完成しない」という声を同業の方から伺うこともありますが、当社では社内でやりたいこともなるべく受託制作の期限ギリギリまでやってもらいます。
この辺の匙加減をうまくやらないとなかなかサービスは完成しませんし、時間を置いてしまうとそのときのモチベーションも下がってきたり、気が変わったりするので、集中してうまくこなせる時間配分は必要です。
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当社ですべて実行できているわけではありませんが、今まで作ってきた経験と反省を踏まえて今年も受託制作と自社サービスの運営と開発を並行していければと思っています。
最後に制作自体と関係なく一番重要なことですが、健康第一です。
少人数の小さな制作会社はそこに尽きると思っています。