Webデザイナーに望むこと。

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当ブログでデザインネタが続いているので便乗してデザインについて書いてみます。
最近に始まったことではありませんが、ネット上(特にはてブとか)で「デザイナーとは何ぞや論」みたいなものが何かと話題になっているのを見かけます。

コメントなんかをみるとディレクターなど指示する側から見た意見と実際に制作するデザイナーの立場とお互いに制作の中で言い分があるのはよく分かります。
これが見ていて結構面白い。
おそらくデザイナーでなくてもエンジニアでも制作する人と指示する立場では同じような展開になるのだと思います。

さて、その中で提出されたデザインについて「これじゃあパワポに色を塗っただけじゃないか!」みたいなことが書かれているのを見ました。
これ、よく聞きますし、私もよく言います。
あと、「デザインではなくてオペレーション」。

これを言われてしまうとデザイナーにとっては悲しいものだと思います。
でも、第一印象、どこがどうというより、正直な感想がそれしか見当たらないデザインの場合もあります。
それはデザイン云々よりもデザイナーに求めていたもの、期待していたものがなかった場合にそう感じてしまうのだと思います。

ではデザイナーに対して非デザイナーは何を望んでいるのでしょうか。どうして欲しいのでしょうか。

今回は当社がデザイナーに望むことについて書いてみます。

====

オペレーションというけどそういう制作もある。

まず、冒頭で例に挙げた、「それじゃあオペレーションだよ」という部分ですが、案件によってはパワーポイントの通りにきれいに作っていただければそれで良いこともあります。そういう時に指示通り作ったからと言ってオペレーションだとは全然思いません。

特に指示する側でこうして欲しい、という明確なイメージがある時はそうして欲しい時もあるのです。
きっちりイメージが出来上がっていて、デザイナーの加工技術によってきれいに仕上がれば良い案件も多々あります。

言われた通りにするのもひとつのデザイン制作の一環なので、それを捕まえてオペレーションとかいうつもりは私はありません。

ただ、デザインとしてのアイデアや一工夫をお願いしていたり、デザインはよく分からないから、ということでお願いしているのに

「具体的なイメージがないと作れない。」
「指示が悪い。」「素材が悪い。」

など自分のアイデアなくして外部的な要素の文句言っているような方はオペレーターだと思います。
それはエンジニアでも何でも同じだと思います。

だって考えてないから。

制作したデザインに対しても、ただなんとなくきれいだから。
考えがなく制作している時点でオペレーションだと思います。

 

デザイナーに対して望むもの

 

●デザインアイデアの引き出し


サイトデザインはアイコンを付ける付けないでもかなり印象が変わります。
ボタンのサイズや位置によっても全体像がずいぶん変わってきます。

ちょっとしたあしらいなどのワンポイントのアイデアは、常にデザインを意識しているデザイナーのアイデアの引き出しに期待しています。

クライアントはイメージを持っていない方もいます。
言葉で伝えてどんな良いものが出来るのか楽しみにしている方もいます。

無茶振りっされたって困るんだよ!と思われるかも知れませんが、非デザイナーから見ると、「デザイナー」っていう肩書には何かそういうアイデアを期待しちゃうところがあると思うんです。

一発でうまいこといかなくてもよいと思います。
色々なアイデアを沢山出して最終的には良いものを一緒に形にしてくれるデザイナーとは一緒に仕事したい、私は思います。


ヒアリングとデザインの説明


Web制作だと何かとディレクターがイメージやら何やらヒアリングしてまとめようとしますが、本来デザイナーさんがきちんと打ち合わせで自分の言葉でヒアリングすべきだと思うんです。

ディレクター経由だとディレクターのイメージとしてデザインイメージがクライアントのイメージから湾曲したりする部分もありますし、実際に考えてデザインする人が聞いておくべきことを把握していないとおかしい。
また、制作したデザインについてもきちんとデザインした人からクライアントへ意図やコンセプトを説明すべきだと思います。

自分の作ったデザインについて、クライアントにきちんと説明するところまで担当して欲しいと思います。
最後にはクライアントにデザインを好きになってもらう、ここまで出来る方は素晴らしいですね。

ディレクター任せにして、言われるがままに制作するのはオペレーターだと私は思います。
冒頭で書きましたが、こちらの意図通りに完璧に作ってほしい時もありますのでケースバイケースです。

Web制作だとデザイナーは籠って制作のみに徹する傾向がありますが、積極的にクライアントに出向いて話を聞いて、時には怒られたりしながら制作を進められたらと思っています。

 

時には個性を主張しすぎない。

デザイナーになっているくらいだからデザイナーは自分のセンスや個性が強いほうだと思います。
それはすごく良いことだと思うのですが、クライアントのセンスが自分と違うからといって「センスが悪い」と決めつけてしまうようなのは感心しません。

センスがなければそのセンスを元に、もっと良くしてあげるのがデザイナー仕事ではないでしょうか。

同業者の間ではやたらと他人のデザインを見てどうこう言いたがる人いますが、そのデザインでも依頼したクライアントが大満足していれば、それはプロとして成功なのです。

自分はこう思う、絶対この方が見やすい、という主張や個性もよいのですが、あえて最大公約数、みんなが見やすいと思っているものを冷静に自分に取り入れてデザインに活かせる人は強いと思います。

時には自分のセンスとは異なるものでも、デザインにしてくれるとありがたいです。
デザイナーにとっては自分の個性を買ってくれるクライアントが一番良いかと思いますが、多くの制作案件の中で実際にはそんなことあまりありません。

 

指示側が気をつけたいこと

アイデアが欲しいなら初めからそう言う。

デザイナーに望むことと矛盾しているかも知れませんが、実際にはデザイナーという肩書の方がみんながみんなアイデアを出すというわけではありません。
「それじゃあオペレーションだ!」と言いながらも、それでもデザイナーとして一緒に制作をしていただかないといけません。

言われればすごく良いアイデアを出すけど、言われない限りアイデアは出せないという方もいらっしゃいます。
アイデアはないけど、すごく細かい部分、アイコンやカラーにまで細かい注文を入れたら素晴らしいデザインを制作するデザイナーもいるでしょう。

もし、プラスアルファのアイデアが欲しいのであれば、お願いする際に予め伝えておくのが無難です。

全てお任せでデザインして欲しいという人と、こだわりがあって細部まで指定した人もいると思います。
今回の制作ではどうして欲しいのか、をきちんと伝えることが重要だと思います。

デザイナーとしてのアイデアを欲しいならそう言う、イメージがあって指示通りに作って欲しいときはそう言う。
言われれば出来るという人もいるので、少なくとも制作現場で指示する人間は気を付けたいところです。
周りから言われて活きてくるタイプの方もいらっしゃいますので。

 

構成を作る時

パワーポイントは優れたソフトで、きれいに資料が作れるようになっています。

グラデーションを付けて色を付けてイメージ写真なんかを入れてしまうとデザインラフみたいになってしまいます。
ただ、ここまでクライアントにイメージを付けてしまうと、もうその通りに作るしかなくなってきます。

これで「パワポと同じ」と言われても厳しいですよね。
ですので、私は構成には着色もグラデなども装飾やイメージも一切載せません。

何をどこに表示するのかクライアントと決定して、イメージの摺り合わせからデザイナーさんの出番だと思っています。
ですから余計なイメージは構成段階で付けないように気をつけています。

構成は要素を配置を確認するため、あとの装飾やボタンのサイズなど見やすく誘導するための要素はデザイナーに任せましょう。

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最後に。

デザイナーとかディレクターとかエンジニアとかお互いに異なる肩書には色々と求めたくなります。
エンジニアなんだから、ディレクターなんだから、デザイナーなんだから、と。

ただ、人によって自分の同じ肩書でやる範囲の作業の認識というのがまちまちなのがWeb制作業界の実際です。

一番良いのは「それがやってくれて当たり前」「やってくれると思ってた」ではなく、「どうして欲しい」ときちんと伝えることも実際には必要なのかな、と思います。

制作現場より。

 

執筆者:高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

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