Webサービスを運営する時、問い合わせなどの運用は制作よりシビアな問題です。
特にスタートアップ企業などで、それほど人数がいない状況で開発と運用をしていくのは実際にやってみると結構手間がかかります。
(もちろんその手間が運用なのですが。。)
当社でも運用しているサービスに対しては運用サポートは常に議題となっています。
ユーザーには全く関係ない話ですが、例えば受託制作と兼務しているようなWeb制作会社が運用しているサービスは誰が何をやる、どういう対応をするといったルールをしないと誰かがやるだろう、みたいな感じになってしまいます。
ユーザーは無料だろうがなんだろうがクレームや問い合わせについてはどんどんしてきます。
むしろ無料で使っている人のほうが問い合わせをしてくる傾向にあるようです。
中には、企業姿勢を問うようなかなり痛烈なお叱りも含まれています。
制作をしているとまずは作ること、改善や企画、マーケティングなどに目が行きがちですが、実際には運用やサポートの方が重要だったりします。
実際に一件一件問い合わせなどのサポートをしているとよくわかりますが、かなりの時間を取られます。
ですが、きちんとしたサポートをしているとユーザーより感謝の言葉をいただいたりします。
そういう時、やってて良かったと思う反面、運用サポートでサービスの印象はかなりかわってくることを実感します。
運用は大変です。
しかし、大変とは言いつつ事前にきちんと方針を決めることで、できる範囲できちんとした運用が出来るかと思っています。
今回は当社の中でも運用サポートで課題となっているようなことを書いてみます。
お恥ずかしながら完全に運用してからの後付けで、当社でもこれからきちんとしていかないといけない点ばかりです。
これから新規にリリースして運用される方の参考にもなればと思います。
内容はあくまで運用側目線ですので、ご容赦ください。
問い合わせのサポートについて
操作方法や仕様の問い合わせはよくあるご質問へ蓄積問い合わせの内容にはバグ以外の操作方法や仕様(ルール)についての質問はよくあります。
問い合わせをわざわざする方も面倒です。
ヘルプに書いてあると運用している人にとっては思うかもしれませんが、実際に余暇で利用するようなWebサービスを利用する時に細かく操作方法を読んでいるユーザーはそんなにいません。
とはいえ質問に対してサポートをし始めるとメールでも電話でも解決するまでやり取りを往復し続ける必要があります。
(途中で面倒臭くなってやめるってことはできないですよね。)
他のサービスを見ていてもよくあるご質問がすごく充実しています。
質問などの問い合わせについてはよくあるご質問に蓄積をしていくのが一番良いと思います。
どこの会社のサービスを見ていても最近ではよくあるご質問で解決しなかったら問い合わせへという導線が多いように思います。
バグなどは24時間以内(できれば即時)に一旦連絡
バグなどの不具合に対しては極力早めに第一報はする方が良いでしょう。
改修後にサービス上で告知するにしても、まずは報告していただいたユーザーにお詫びの連絡をすることは大切です。
すぐに修正するしないはともかく、すぎに返信することは大切です。
それは運用に限ったことではありませんが、レスは早いに越したことはありません。
人間反応がないことが一番不安でストレスに感じます。
バグや改善はサービス上のお知らせでマメに掲載
バグなど改修は随時サービス上のお知らせなどでマメに告知していくことをお勧めします。
ユーザーからの報告にしても個々人に対して報告をするのではなく、他の問い合わせをしてこないユーザーに対しても告知することが出来ます。
お知らせがきちんと更新されていることも、健全なサービスなのかを判断するポイント、ということがどなたかのブログで書かれていました。
色々なWebサービスが使えるようになったのでユーザーの目も肥えています。
見ていないかな?というような部分まできちんとご覧になられている方が多くなっているように思います。
サービス上の告知などのサポートは極力マメに行っていきたいところです。
サービスの改善で対処できない機種依存などの問題は見えるところに記述
ガラケーでもスマートフォンでも機種に依存するような操作制限はサービスによっては出る場合があります。
メールの受信でもドメイン指定で受信許可しておかなければならないなど色々な制約があります。
問い合わせの中でも使っているメーラーや機種などの依存するメールの不達などの問い合わせは多いです。
サービス上で解決できない媒体に依存する不具合などはヘルプなどの小さく書かず、操作する画面などで大き目に書いておくことをお勧めします。
書いておけば分かりますので問い合わせは減ります。
立ち上げ当初はなるべく避けたい
電話での対応は極力やめるサポート体制をきちんと組めるのであれば、電話サポートが一番良いでしょう。
利用する立場で考えると私の場合は、問い合わせフォームと電話の両方窓口があれば間違いなく電話をかけます。
特に数人の会社などで無料で立ち上げてサービスを運営する場合、電話対応はシビアな問題となります。
まず口は一つしかありませんので、ひとつの問い合わせで時間占有します。
スタッフ全員が電話に慣れていて操作や仕様を熟知していれば良いのですが、受けたスタッフがすぐに対応出来ないと余計に相手にストレスを与えかねません。
大手サービスでも電話番号は一切記載されていない場合が多いです。
ムームードメインさんのライブヘルプはそういう意味ですごく良いと思います。
以前利用したことがあるのですが、結構早く対応してくれるので便利でした。
裏でどうされているのか分かりませんが、チャットであれば2つ同時に対応なども出来るので効率は良いと思います。
twitterなどのSNSでの対応はやめる
最近、Webサービスのtwitterアカウントを作成してリプライで対応しているようばサービスをよく見かけます。
ダイレクトメッセージでのやり取りならまだ分かりますが、タイムライン上でリプライ対応するようなことは避けたいところです。
きちんと対応出来れば問題ないのかも知れませんが、良い面悪い面すべて無関係な人にも見えます。
時にはそれがサービスにとってリスクになることもありますので、サポートなど対ユーザーに関する対応は公の場所でしないことです。
運用をするために
サポート用アドレスは必須基本的なことですが、サポート用のメールアドレスは設けた方が良いです。
個人のメールアカウントなどで対応してしまうと、何かあった時にすべて自分だけに連絡がきます。
本人が不在の場合に返信ができなくなってしまいます。
社内で共有すべき内容も中にはあるので、必ず関係者が共通で見れるメールアドレスを用意して対応した方が良いでしょう。
操作ログを取るようにしたい。
ユーザーからの不具合の連絡をもらった時に、状況や操作方法がよくわからない場合がよくあります。
もちろん、そんなに丁寧に連絡するほどユーザーも暇ではないので、どうやったら現象が発生したのか分からず、なかなか改修に結び付かない場合がよくあります。
もちろんそれをいちいちユーザーに聞くわけにもいきませんし、ユーザーはテスターではないのでそんなことにいちいち答えてくれない可能性も高いです。
毎回、制作段階でやっておけば良かった、と思うのは操作ログの記録です。
どのユーザーがどういう操作、機種は何を使って操作したときに不具合が発生しているのか、操作ログがあれば追うことが出来ます。
かなり基本的なことではありますが、実際にWebサービスを立ち上げる際にすべて操作ログを取ることは忘れがちです。
これは是非つけておきたいところです。
対応マニュアルで関係スタッフ全員が共有
少数精鋭で運用と開発を行っていると運用サポートの部分を誰がやるのか?誰かがやるだろう、みたいな感じになってくることがあります。
制作していると制作に集中するためにサポートが後手になってしまうことがあります。
対応についてもメールの書き方などうまくサポートするにはそれなりに注意が必要です。
ただ返信しとけば良いというものでもありません。
文面によっては怒られたり、サポートが悪いという印象を抱かれる可能性が高いので、きちんとした対応が必要です。
そこでメール文面なども含めて対応マニュアルを用意してスタッフの誰でも対応がある程度可能な状況にしておくことをお勧めします。
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冒頭でも書きましたが、当社で出来ているかというと、まだまだこれから改善、対応していかないといけないことばかりです。
理想を挙げても実行しないと意味はないのでこれらのことはこれから改善していくつもりです。
運営方針や体制は企業によって異なります。
ひとつひとつサポート対応することが一番ユーザーにとってはうれしいことだということは逆に立場になればよく分かります。
ただ、勢いよくサポートして、中途半端に終わることほどがっかりすることはありません。
最初からそうだったらそういうものだと思っていたのに、やってくれていたことがやってくれなくなるのはすごくストレスです。
Webサービスをこれからリリースされる方は是非サポートについてもどこまで対応出来るのか事前に考えてみてください。
運用しきれないサービスを立ち上げるほど無駄はありませんので。