当社ではなるべく定時退社をこころがけています。
個人的にシステム会社やWeb制作会社を何社か経験して、どこも終電や休日出勤は当たり前、22時上れればラッキー!というようなちょっとおかしい生活をしていた時期もありました。
「遅くまで働いている=頑張っている」という風潮をなくしたいと考えて今日にいたっています。
定時退社といっても、上司である私自身が残っていると、全員ある程度空気を読みつつ帰る感じになるので真っ先に帰るようにしています。その分朝は1時間半くらい早めに出社するようにしています。
それは残業じゃないのか?と突っ込まれそうですが、これは完全に自分の趣味というか、誰もいないオフィスで調べ物や勉強するのが一番集中できるのでそうしているだけです。残業少なくと言ってる自分が恐らく月単位だと一番労働時間が長いのですが、その辺は個人の趣味の範囲ということでご容赦いただければと思います。
最近働き方革命という言葉を聞きます。
「働き方革命=場所と時間を選ばない働き方」みたいなイメージありますが、当社の場合は時間でがっつりと区切ることでほぼ定時退社を実現しています。
クリエイティブな仕事は時間でくくれないと考える方もいらっしゃるでしょう。
たしかにアイデアを考える、スキルアップする、という意味では時間に区切りはないと思います。
しかし、日常的な制作業務はきっちりと時間管理していかないと、見積りに対しての作業効率などすべてにおいて会社経営が成り立たなくなってしまいます。定時退社というのは結果的なもので、一番の目的は制作工数の無駄遣いをしない、制作体質を作りたいという部分もあります。
今回は、会社にとっても個人にとっても良い完全な定時退社に近づくためにどんなことをやっているのか紹介したいと思います。一応ことわっておきますと、当社は10名にも満たない少人数の会社であって、だからこそ実現出来ているルールでもあると思います。
大前提として、帰ることが目的にならないように。
まず大前提ですが、定時退社するとなると帰るということが目的となってしまい、やるべきことも終わらせずに帰ってしまう人もいます。そうならないように制作の進行管理をきちんとすることも大切ですが、時間内に終わらせるということを社内全員が意識する必要があると思います。当社では受託制作と自社の制作を同時に進めていますが、どうしても社内のこととなると気が抜けてしまうのか、ぐだぐだになってしまうことが多々あります。
ですので、ゴールや期日を決めたらそれはなるべく守るようにやって欲しい、ということは会社の方針として意識してもらっています。
帰るための朝礼、終礼。
当社では簡単な朝礼と終礼をやっています。内容は一人ずつ今日の作業を報告し、エンジニアがデザイン素材が欲しいとか、バグを修正して欲しいとか、やって欲しいことを担当者間で共有してもらい、進捗確認するのが目的です。
人数が少ないせいもありますが、5分以内で完結に終わる程度のものです。
終礼はやっていなかったのですが、何も節目がないと帰るタイミングが空気を読んで、となってしまうので進捗報告や情報共有をして「ではこれにて!」という区切りをつけるためにやっています。
朝礼とか終礼が時間の無駄などと否定的な方も多いようですが、3分間スピーチやれとか、何のためにもならない上司の話を聞けとか、売上報告で朝っぱらから小一時間絞られる、みたいなものではなくて、お互いに確認し合うためにおこなっているので無駄ではないと思ってます。
昼休みは全社的になるべく同じ時間に取る。
お昼休憩はずらして取った方がお店も空いているし休みやすいというのはよく分かります。しかし、当社のように数名しかいない会社で全員がバラバラに休憩を取ると、対応にタイムラグが生じて結果的に残業に繋がることもあります。休憩を12時に取る人と13時から取ると1時間のタイムラグが生じます。その間にお客さまから対応の依頼があればすぐに出来たところを1時間後になりますし、その分報告する人も時間も1時間後ろにシフトします。
ですので、昼休みに限らず、休憩についても足並みそろえて取るようにしています。
もちろん業務の状況によってずらして取ることを禁止しているわけではありません。特にずらす必要がなければ決まった時間に休憩するというルールのもとやってます。
細かいことで働きにくいように感じる方もいらっしゃると思いますが、8時間労働の中の1時間の時間のずれは大きいのです。
やれる作業はすぐにやる。
個人的に制作会社を何社か経験して感じたのが、すぐに出来ることをやらない人が多いということです。もちろん忙しいというのもあるのですが、たかだか数十分でできる作業を置いておいて、忘れたりお客さんに催促されてからやる人が結構いました。
それでも仕事が回れば良いのですが、チームで仕事をしていると誰かが仕事を止めてしまうと、その後の工程の担当者が被害をこうむります。実は納期が近いデザインがぎりぎりにあがってきて、HTMLコーディングを48時間寝ずにぶっ通しでやって帰りの小田急線でぶっ倒れそうになった経験もあります。
制作の炎上案件って大体誰かが仕事を止めていて、工程が最後の方の担当者にしわ寄せが来るパターンがほとんどです。大体仕事をストップさせている犯人がいるのです。
ですので、少なくとも社内で出来ることがすぐにやる、という習慣を付けておくと無駄な工程遅れが社内で発生することがありません。
すぐにやるというのは退社時間のためだけではありません。
お客さまにとっても対応やレスポンスが早いのは喜ばれますので良いことしかありません。
明日でも良いことは明日やる。
少人数で受託制作と社内のサービスを進めていくと、どうしても割り込みで受託制作を優先したりして、出来ると言っていたことが出来ない時があります。もちろんお客さまが待っている受託制作でそれは許されませんが、社内の場合バグなど緊急性が高くないもの、急ぐ必要がない作業については次の日でも良しとしています。
(良しというかほぼ個人の判断で帰っているようです)
お客さまに対しても何時までにいただいた修正は当日中、それ以降は翌日の対応ということで、事前に説明をしてご納得いただいて制作を進めています。中には緊急とか不具合などもあるので、すべての作業を時間で区切れるわけではありませんが、通常の制作進行はきちんと時間で管理しています。
遅くまで残業する人の中には、それを残業してまでやる必要があるのか?と思うようなタスクを自分に課しているような人もいます。会社としては体調管理の問題や光熱費もかかるので、無駄に残業して貰わない方が良いことは言うまでもありません。
見積り工数はなるべく全員で共有する。
お金のことには絡みたくない、という人が制作には多いせいか、デザイナーやエンジニアといった直接制作に関わる人にあえて見積りや金額を共有しないという風習が制作業界で見受けられます。当社では制作者とも見積り書を共有して仕事の中で使える時間を共有しています。
もちろん見積り時に確認している工数ではありますが、作業前に工数を共有することで、自分に与えられた時間を意識して作業することが出来るようになります。
制作業界では自分たちのスキルを安売りするな!みたいなことが言われますが、値段以上に時間をかけてしまうのは、まさに自分の安売りに他なりません。
プレッシャーをかけたいわけではありませんが、制作する方々にも時間を意識していただくことで、無駄に長い労働時間を回避していただこうと考えています。
冒頭で述べましたが、こういう意識は会社のためにもなるし、個人のためにもなるのです。
残業は癖になる。
残業は癖に近いと思います。中には働くことが好きで残業もいとわないと言う人もいますし、そうでない人もいます。
(ほとんどが後者でしょう)
世の中の残業問題は、前者が後者を縛り付けてしまうことで発生していることも多々あります。
個人的な経験上、上司や先輩が夜型だとそれにつき合わされて、帰ろうとしているのに追加の作業を依頼されたりしてかなりイライラした覚えがあります。
残業というと会社全体の問題でもありますが、小さなチームの中で足並みがそろわないことで起こっていることが多々ああります。私自身、システム会社で長時間労働で消耗していた時期もありましたが、今考えると待機していたり一応空気読んで残るみたいな状況も随分あったと思います。
そういったことは時間含めて足並みそろえて仕事を進めていれば少なく済むことです。
私のそういった不毛な残業経験も踏まえて、当社では足並みそろえて働くというスタイルを取っています。
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今制作業界では長時間労働が改めて問題視され、各社労働時間や働き方について改めて検討されているようです。当社でもいかに効率よく快適に働き、お客さまにより良いサービスを提供し続けていけるか考え、実行していきたいと思っております。