伝える手間、聞く手間を惜しむとたいていのWebデザインはうまくいかない。

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今年に入ってから新しいお客さまとの受託制作や、社内のWebサイトの制作を行っていて、デザインの進め方の難しさを改めて痛感しています。

デザインに対してのこだわりというのは、担当者によってかなり温度差があり、自分も含めてこだわりの強い方だとデザイン制作はかなり難航します。
難航する理由として、ひとつはデザイナーの個性やセンスとの相性問題があります。
デザイナーも人間ですので、その人なりの個性やセンスがあります。そこが合わないとなかなかお客様の欲しいデザインに近づけなかったりします。個性の問題については「直せ!」と言われてもしょうがない部分もありますので、その辺りをうまくサポートして方向調整するのはディレクターの進め方も大きいのではないかと思います。

現在当社のWebサイトもリニューアル作業をしているのですが、これがなかなかまとまらない。
何回もやり直していて、「これが受託案件だったら恐ろしいな」と思う程の期間をかけても、なおまとまりません。

そんなこともあり、ここ最近どうしたらうまく自分のイメージをデザインという形にしてもらえるのかということをずっと考えていました。

まず、うまくいく場合といかない場合について振り返ってみます。

●Webデザインがうまくいく場合

・こうしたいというサイトイメージがサンプルサイトなどの形である。
・サイトのターゲットなど制作する目的を、制作者がきちんと理解(共有)出来ている。
・使いたい素材などがきちんと揃っている。
・制作するデザイナーのテイストと抱いているイメージが一致している。
・スケジュールが明確になっている。
・受発注双方で、制作費と提出するデザイン案の数など制作条件の認識が合っている。

●Webデザインがうまくいかない場合

・具体的なイメージがきちんと固まっていない。
・デザインを修正して貰っているうちに気が変わってしまう。
・写真やイラストなど掲載する素材が少ない。
・スケジュールが漠然としている。
・提案するデザイン案の数などの認識が合っていない。

もちろん、この他にもお互いに気が合わないとか色々あると思いますが、概ね私の経験上はこんなところかと思います。簡単にいうとデザイン制作するのにあたってのお膳立てが出来ていればうまくいくことが多いです。

今回掘り下げたいのは、デザインイメージの齟齬による部分です。
最終的にお金を払わないとかそういうのは論外として、デザインがうまくいかないのほとんどがイメージ通りのデザインが出来ない、というものではないでしょうか。

 

実際にうまくデザインが進めない時の現場の声はこんな感じ。

デザイナーの声
・イメージのゴールが分からない。(これが大きい)
・何回も修正しているうちに何が正しいのか分からなくなってしまった。

修正回数が増えれば増えるほど、どんどん混乱していくようです。

依頼している人の声
・やりたいことは伝えているのだからアイデアや提案が欲しい。
・イメージをうまく伝えられないので、とにかく作って見せて欲しい。
・デザインするのにどういった情報が必要なのかは逆に聞いてほしい。

双方の言い分を見てみると、お互いに待っているわけです。
それでも納期があるので、デザイナーは手を動かし始めている。
結局お互いに伝える、聞き取る手間を惜しんでいるんです。
お互い相手に求めて待ってるんですね。
これは僕自身、社内のサイトを作っていても、日常業務と並行していると自分のイメージをまとめて伝えるのが段々と手間になってくるんです。
もちろん俺の頭の中のイメージを読み取れ!と言っても無理なので、まとめようと思うのですが、それでもまとめている間に時間はどんどん過ぎていく。
イメージサイトを探しきれない場合もあります。探してみてもこのサイトのまんまではダメだけど、こんな感じで、とか伝えられない場合もあります。
そうすると結局、とにかく作ってみて欲しいとなってしまいます。
これ、受託制作だと一番嫌なパターンですが、自分でもやってしまってるんですね。
そこで、どうしたら良いか。
永遠のテーマですが、やはりお互いが伝える手間と聞き取る手間を惜しんではいけないという事です。
依頼する側もきちんとまとめる、デザイナーも受け身ではなく、積極的に聞き取りをして相手のイメージを引き出す、これが出来ればうまくいくのではないかと思います。
とにかく、お互い待っちゃいけないです。
大した結論にいたっていなくて恐縮ですが、デザインするうえでのコミュニケーションってすごく難しいですね。

執筆者:高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

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