制作業界で仕事をしていると、アイデア提案を要求される場面が多く出てきます。
特にディレクターやデザイナーなどの役割では、アイデアをどれだけ出せるか、形にしていけるかが重要となってきます。
基本的にアイデアは誰でも持っていると思います。
少なくとも普段使っているWebサービスやサイト、ゲームなどで、もう少しこうだったら良いな、こういうのあったらやってみたい、使ってみたい、という感想は持っているでしょう。それもまたアイデアのひとつです。
会社でアイデア会議とかブレストとかやり出すと、アイデアを出せる人と出せない人が出てきます。
やはり、自分で夢想するのと会社でアイデアを提案するのでは大きく異なりますので、形として提案・発表できる人とそうでない人が出てくるのは当然です。
しかし、それよりも何よりもアイデアを出すのって少なからず恥ずかしいところがないでしょうか。
アイデアがないのではなくて、恥ずかしいから自分の中でボツにして発表しないだけ。
そういう方も結構いると思います。
そもそも、このブログでこうやって上から目線で自分の意見などを書くことは恥ずかしいといえば恥ずかしいです。
(お前は何者なんだよ、と思われてる感じはいつもしています。)
私自身、Web制作業界に入る前はシステムエンジニアをやっていたので、システム的な提案は出来ても、ネーミングやキャッチ、PRについてのアイデアを出すことなんてまずありませんでした。制作業界に入ろうと思ったくらいですから、アイデアを出して形にしたいという欲求はありましたが、最初は(今でも少し)恥ずかしかったです。
否定されたら嫌だな、面白いと思うけど滑ったら恥ずかしい。
実際に、アイデアを出しても誰も無反応(スルー)、とか未だに恥ずかしいことは多々ありますが、そういうことを言っていては制作業界では務まりません。
特に当社の場合は、アイデアを出して自社サービスやクライアントへの提案を主としている会社なので、アイデアが恥ずかしくてなかなか出せない、なんて言っていたら仕事になりません。
では、どうすれば恥ずかしくないのか。
個人的な見解ですが、以下に恥ずかしさを克服するアイデアをまとめてみました。
こうすれば意外と恥ずかしくない
- アイデアの根拠をきちんと説明する。
(面白おかしいものでも、アイデアのどうして、を説明できるとアイデアそのものより説明に対して意識が向くので、恥ずかしさがなくなってきます。) - 書面を用意で用意すると恥ずかしくない。
(口に出すと恥ずかしいけど、文字で起こすとそれほどでもないです。特にキャッチとかネーミングなんか。) - ある程度数を列挙できると恥ずかしくない。
(例えば、ネーミングなどでも捨て案含めて色々用意すると恥ずかしくない。一発出して滑るから恥ずかしさが増すんだと思います。) - どうなんだろう、と問いかけるように発表してみる。
(こういうのってどうなのかな?どうなんだろうね?とか自分のアイデアなんだけどちょっと斜めから発言してみるとちょっと恥ずかしくなくなります。) - 他人が滑ったところにすかさず重ねてアイデアを出す。
(「ああ、私もこういうの考えたんですけどね(笑)」とか言って、他人が滑ったところに便乗してみるのも良いです。
もしかしたら、滑ったアイデアに乗せることで滑ったアイデアが見直されることもあるかもしれません。) - ある程度形にして説明する。
(せっかくのアイデアも話が通じないと、「何いってんだ?こいつは?」という顔をされたりして、説明している間に顔から火を噴きそうになったりします。資料なり相手にイメージが伝わるように用意しておくのも恥ずかしさ予防法だと思います。) - SNSなど顔をみないでアイデアを出し合う。
(書面で用意する、と同様ですが、顔をみてアイデアを出し合うと結構恥ずかしいので、顔を合わせずにアイデアを出し合う。)
どうしても、ネーミングとかキャッチのアイデアを出すのは恥ずかしいです。
私自身、8bitで作ってきた大体のWebサービスのネーミングを考えてきましたが、社内でそれが良いとか悪いとか意見をほぼ聞きませんでした。
「こういうの作るから」ほぼそれだけです。どう思う?とかは一切聞きません。
なにより、社内の少ない人数の中で自分で出したアイデアに対して色々議論されるのは恥ずかしく、それなら一層の事リリースして一般の方の反応を見た方がよほど恥ずかしくないと思ったからです。
インターフェイスや仕組みの部分でのアイデアというのは、理論的な部分がほとんどを占めますが、キャッチや企画のアイデアはセンスや感情的な要素もありますので、それが恥ずかしさの原因なのではないかと思っています。
どうしてアイデアを出すことが重要なのか。
アイデア会議やブレストで、他人の出したアイデアを片っ端から、批判や否定することが得意な人は少なからずいます。社内でもアイデアを出すと「でも」「しかし」と言われることは多くあります。
よく、代替案がないなら否定するな!という意見もありますが、私は代案がないから完全に批判や否定をするな、とは思いません。
そうは思わない、そこは間違っている、という客観的な指摘をしてもらうことは必要です。
(もちろん否定されれば、「じゃあなんか他の案あるのかよ!」と感情的には頭に来ますが。)
ただ、批判や否定だけではなく、他の方向を指し示す姿勢は少なくともモノづくりに携わっている人としては大切だと思います。
それが代替案になるのだと思います。
アイデアが採用されないことは多くあります。
もしかしたら、自分のアイデアがそのまま採用されるなんてことはほぼないかも知れません。
アイデアを出しても、採用されず結局言われた通りに制作する、なんてことは制作をしていると日常茶飯事です。
しかし、アイデアを出す人というのは、その時アイデアが採用されなくても意見を求められるようになります。
アイデアが採用される確率より、考えられる力、アイデアを発表、提案できる力というのは重要なのだと思います。
デザインでも企画でも、普段から雑談レベルでも自分のアイデアを話すことは、そういう意味で制作のトレーニングだと思っています。
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恥ずかしくてアイデアを発表出来ない方の何かの足しになればと思います。