Web業界 発注制作の教科書という本を書きました。

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明日8/11、私が執筆に携わらせていただいた「Web業界 発注制作の教科書」という書籍が発売となります。
昨年末くらいから、少しずつ書き溜めてやっと日の目を見ることが出来ました。

この本は、2013年に発売された「Web業界 受注契約の教科書」という制作会社向けのトラブル事例書籍の発注者版です。
Web業界 受注契約の教科書」が発売された時に、発注者版も読んでみたい、という声が多かったのを受けての刊行となりました。
今回もIT弁護士で有名な藤井総先生との共著となっています。

装丁は前作に続き、当社のデザイナー森島が担当しました。


 

内容としてはタイトル通り、Web制作を発注する際のトラブル事例を挙げて、藤井先生に法的な解説をしていただくという流れになっています。ポイントとしては、今回発注バージョンということで、SEOや広告掲載についても具体例を挙げて解説しています。

近年、企業でWebサービスやスマートフォンアプリをリリースして、自社の事業として確立したい、というお話は年々増えています。サービスを運営していくうえで、制作だけでなく、リリースした後の広告やPRは、非常に重要なものになってきます。
制作会社に作らせて、広告代理店にPRを依頼する、こういった実際の流れを意識して例を挙げています。

また、フリーランスに依頼する際と制作会社、広告代理店に依頼する際の、それぞれの注意点を実際の現場目線で例を挙げています。ここまで、馬鹿正直に現場の実情を書いている本はあまりないのではないか、と自負しています。
私はどちらかというと作る側の人間なので、その立場からすると、書くことが憚られるような内容もありますが、そこは発注者として心を鬼にして書きました。

特に読んでいただきたいのは、発注未経験の方、これから代理店などで制作会社に発注する立場になる方です。
プロに頼んでいるから、とまかせっきりにしていたら、全然出来ていなかった、などなど制作では信じられない事が実際に起こったりもします。

特に発注未経験の方には、「こういう事にならないですよね?」と制作会社に念を押すための疑似体験としても利用していただけるかと思います。

Amazonにも掲載されていますが、目次を挙げておきます。
一つくらい、当てはまるようなトラブルに見舞われた方もいらっしゃるのではないかと思います。
各トラブル事例に対して、藤井先生の法的な見解も書いてありますので、制作現場の担当者の方にはかなり役立つ内容になっています。

第1部 Web発注制作でありがちなトラブル
第1章 どこまでが契約に? 口約束も契約内容に含まれるのか
第2章 デザインに対して契約の中でどこまで期待してもよい?
第4章 その発注先は本当に信用できる? 制作進行中に気を付けたいリスク
第5章 制作しているのは誰? 最近流行っているオフショア制作とは
第6章 やっぱりできません! 注意したい発注後の受注キャンセル
第7章 発注したけど制作を中止したい。その時、費用の支払いはどうなる?
第8章 うっかりすると別料金も。契約前に確認しておきたい検収期間
第11章 その制作費は適正価格? 制作見積りを確認する際の注意点
第12章 長期間の制作、どのタイミングで制作料金を支払うべき?
第14章 制作会社を変更したい。どのように契約を引き継げばよい?
第16章 広告代理店が窓口となるWeb制作について
第17章 作ったWebサービスが既存のサービスと類似していたら?
第18章 もし発注先が制作中のサイト情報を漏らしてしまったら?
第19章 SEOや広告出稿に費用対効果はどこまで求められる?
第2部 Web発注制作にまつわるトラブル 法的解説
第1章 契約前の口約束は契約内容に含まれるのか
第3章 業務内容が明確で、理解もできているのか
第4章 業務の進捗管理はどう行えばよいのか
第6章 発注・受注を一方的にキャンセルできるのか
第10章 費用はいつ支払わないといけないのか
第11章 どんな場合に追加費用が発生するのか
第12章 契約の引き継ぎはどうすればよいのか
第13章 類似のサービスはどこまで許されるのか
第15章 マーケティングの成果は保証されるのか
第16章 クラウドソーシングサービスの運営者はどんな責任を負うのか

丸善ジュンク堂など大きな書店でしか、取り扱っていないようですが、見かけたら是非手にとってみてください。

仕事を請け負う受注側の視点に沿った「Web業界 受注契約の教科書」も発売中です。
2つ揃うと発注と受注のそれぞれの苦悶が垣間見れて面白いかも知れません。



執筆者:高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

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