基本契約書というのは自社が発注する側か、発注をもらう側(受注)かによって確認・交渉する内容が大きく変わってきます。
契約書というのは賃貸契約でもそうですが、何だか読みにくい文章で色々なことが書いてあるので、ついつい斜め読みしがちになってしまいます。
甲とか乙とか丙とかいったい誰が誰でどうなってんだ?!っていう感じになってしまうのは私だけでしょうか。
とはいえ当たり前のことですが、最初の契約というのはすごく大事で何かあった時に思わぬ事態を生むことになります。
最近も契約書を読みこんでいて、一字一句きちんと読まなければいけないのですが、いくつかポイントを絞って読んで確認していくと効率が良いなということを思いました。大体確認するポイントは決まっているわけです。
今回は当社で必ず優先的に確認するポイントを挙げてみます。
受託制作の立場でのポイントになりますが、発注する際にもネックになるポイントです。
大きく分けてポイントは4つです。
支払い
まずはこれです。支払いサイトは一番重要です。利益を得るために仕事しているわけですから当然ですね。
フリーランスや会社経営に携わっている方はよく分かると思うのですが、納品月から計算していつ入金されるのか、というのは死活問題です。
いくら金額的に良い条件の案件でも、それに拘束される時間や他の案件の按分を考えた時、入金が大分先になってしまうと、かなり厳しい状況に陥ります。
仕事だけはあるけどお金がなかなか入ってこない、こういった状況を回避するためにも、いの一番に確認となるべく好条件で交渉したいですね。
細かい話ですが、振り込み手数料や銀行が定休日だった場合の支払い前倒しなどの色々な条件もきちんと明記していただいた方が良いと思います。
自分の給料の話に置き換えてみて、こういう時どうなっちゃうんだ?と考えるとイメージしやすいと思います。
検収期間
例えばこれをきちんと定めていないと、納品してから「ちょっと気がついたこと」の修正対応で時間を拘束されることになります。一体いつ納品したサイトなんだよ、というようなサイトでも検収期間をきちんと定めておかないと、「ミスはミスでしょ?」となり何も言い返せずにそのまま修正し続けるなんてことにもなりかねません。
これは発注する側にとってみれば期間は長めにとっておきたいところですし、受注する制作会社にとってみれば、納品後は速やかに確認してくださいね!という部分なので交渉のポイントになります。
免責事項
Webサービスの利用規約などでもそうですが、天災などのどうしようもないことが発生した場合はそれによって発生した損失は免除されるというようなことはよく書いてあります。ただ、これもよーく読まないと「瑕疵の免責についてはその限りではない」というようなことが書かれている場合もあります。
この項目は大体受注する制作会社側の瑕疵についてのみ言及されている内容がほとんどですが、制作会社からとってみるとお客様の確認が長引いたための納期遅延、提供された原稿のミスによる修正などのリスクもあるわけです。
ですので、瑕疵や免責事項については両社がお互い納得がいく条件で交渉しなければなりません。
契約書を確認する際に制作する立場だと自社のリスクが見落としがちになります。
自社のリスクに対してもきちんと明記していただくこと、きちんと交渉することで、イーブンな関係になり、その後の制作もお互い良い関係で制作が進められると思いますので、注意したいポイントです。
著作権
例えば当社の話をすると自社開発の「proG」というCMSを使ってサイトの更新をすることを毎回提案させていただいていますが、これを流用して他の案件に使うことは禁止していますので、必ずその旨一筆記載させていただきます。もちろん完全にお客様のオーダーで制作したものについては著作権はお客様にあるのですが、自社で持っているノウハウを流用した場合の著作権は必ず主張すべきだと思います。(制作ってそこをとられてしまうと何も残りませんので。。)
会社によって様々な考え方はありますが、プログラムのソースコードの著作権もたいていのシステム会社は主張しているのではないでしょうか?
技術の会社が技術を流用されてしまってはおしまいですからね。
制作という仕事の性質上必ず確認と交渉をしたいですね。
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もちろんすべて読み込んで気になる点はすべて確認しないといけません。
契約書は項目が多いことがありますので、上から順番に読んでいくと眩暈がするかもしれません。
まずはざっくりと項目のタイトルを読んで上記のようなポイントで内容を確認していくと契約書の全体像が分かりやすくなると思います。
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「契約書ちゃんと読まないと怖いぞ!」というようなことを著書で書いたりもしていますので是非参考までに!