Webサービスを5年間くらい作って運用して分かったこと。

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先週の日曜日に当社で運用しているノミトモというWebサービスが第一段階として目標としていたユーザー数に達しました。

一般的に有名なWebサービスのユーザー数に比べればまだまだ微々たるものですが、それでも4年間くらいコツコツと宣伝を売ったりリニューアルをしたりしてなんとか少しづつ収益化も見えてきそうです。

当社はWebサービスを運用して食べていこうという目標で創業しました。
創業当時からまずは色々なWebサービスを作りまくろうと様々なサービスを作ってきました。

15サービスくらい作って結局微量でも収益を生み出しているサービスは3サービスです。
あとはほとんどクローズしました。作ったことによっていただいた仕事もありますし、無駄ではなかったかと思っています。

スポットライトのあたるWebサービスの記事などはよく見かけますが、実際につくって現実的なことを書かれている記事などを見かけたことがなかったので書いてみます。

これから作る方の参考になればと思います。

 

ネーミングについて

ネーミングというと意味なく英語使ったり、言葉の組み合わせで造語を使ってみたりしたくなるものです。
それ自体が悪いことではないと思うのですが、無名の会社、無名の個人が作った場合にネーミングの分かりやすさは重要です。

当社で作った中で話題にあがったサービスの、「釣りッター」「釣りガール」「ノミトモ」「ミスツイッター(閉鎖)」などは、あまりにそのままのネーミングだったことが功を奏して話題になったと思っています。

SEO的にも普段使うような言葉のタイトルそのままの方が時として強かったりもします。
ノミトモも現在「飲み友」「飲み友達」などのキーワードで検索順位1位です。

正直そのまんま過ぎて「これで本当にいく?」とネーミングの時点で迷ったのですが、そのまま過ぎて当初類似サービスもあったのかも知れませんが、誰もネーミングせず結果としてよかったのかと思います。

ソーシャルドリンクとか格好付けて英語で付けていたらおそらく結果は違ったでしょう。

とはいえ、ネット上で影響力のあるような方や、すでに有名なサービスを運用されている実績がある方がリリースするものは、ある程度無条件で話題になったりするので、造語でもなんでもよいのかと思います。
(むしろ普通に格好良いです。)

当社のように創業して間もない無名の会社などであればある程度分かりやすいネーミングというのは重要な要素かと思います。
プレスリリース出したときのインパクトもありますし。

予断ですが、結構面白いサービスやアイデア持ってる人はたくさんいて、知られないだけで潰れてしまうサービスもいっぱいあると思い、無料でPRできるサービスも当社でつくってみました。

ツクログ
http://creaters.eightbit.jp/

 

効果のあったことなかったPR

まず反響のあったもの。
これは自発的なPRではないのですが、日刊SPAやテレビで取り上げられると大きく変わります。
ノミトモも同様のサービスがテレビで紹介された際に検索して我々のサービスに勘違いして来られた方もいらっしゃって、それを機に大きく変わってきました。
日刊SPAも直接的な会員増加ではなくノミトモというサービスを認知していただく、ブランド的な効果はすごくあったと思っています。

あと、プレスリリースは@Pressさんのような有料のサービスにお願いすることが重要です。
立ち上げ時点では極力安く抑えたいところですが、プレスリリースは費用で考えず配信媒体数などをきちんと見て出すと効果が出ます。
プレスリリースの内容にもよりますが、ちゃんと校正もしてくれるので個人的にはプレスリリースは一回一回広告費だと思ってお金を使うべきだと考えています。

効果があまりなかったのはGoogleAdwordsや業界誌への広告です。
もちろん広告自体のクリエイティブや媒体選定が悪かったという自社の責任は大きいです。
それぞれの媒体が悪かったのではなく、うまく使いこなせなかったというところでしょう。

単純に広告を出せば露出があがり見てくれるだろう、という考えで無闇に広告出稿してもあまり効果はありません。
特にノミトモの場合は考えうるキーワードで上位に来てしまっていたので、そもそもAdsenceを選択した時点で間違いだったように思います。それもやってみなければ分かりませんでした。

 

収益について

まだまだ偉そうに何かを入れるほどの収益は生みだしていないので、実際のところを書いてみます。

現状、ノミトモであればAdsence広告は微々たる収益でほとんどは有料ユーザー様からの課金です。
よくWebサービス企画の際に、「で?どこからチャリンと落とすの?」という話になります。
ぱっと出てくるのがスポンサー広告ですね。

実際、人が集まってPV数が出てきてもこちらから動かない限りスポンサー広告をとるのは難しいと思います。
広告掲載について、というページを用意したところで問い合わせがきたためしがありません。

ユーザーの方からサービスを使っていただいて、その対価として料金をいただく、というのが現実的です。
その他のサービスでもBtoBのものであればカスタマイズして企業導入などで収益はあがっています。

もちろん広告で成り立っているサービスもあるので、一概にはいえませんが当社で運用してきた経験則に基づくとそんな感じです。

 

=====

 

こういったことも受託制作などのご相談で実経験として役に立ったりもするので、作って無駄だったことはないかと思います。
実際に作ったサービス自体がうまく収益を生み出さなくても、その実績を見て受託制作のご依頼をいただくこともあります。

現在も既存のWebサービスについてはオールリニューアルなどを進めております。

 

執筆者:高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

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