嫌われる見積り書の特徴

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制作業界にいるとお金の話、特に見積り書の作成や交渉が嫌い、不得意という方が多いように感じます。
例えば転職などすると制作会社によって見積書の書き方や算出の仕方が異なるので、苦労されているwebディレクターの方も多いことと思います。

見積書というのはクライアントに見せる時、ドキドキするものです。
主にドキドキの原因はこの「金額でいけるかな?」「高いって言われたらどうしよう?」というところだと思います。

同じ金額でも見積書の内容によって、その会社の印象も費用の印象もかなり変わります。
特に相見積もりやコンペなどであれば見積書の内容に対して妥当性も検討材料になります。

ですので、いかにクライアントに分かりやすく納得してもらえる見積書を作るかも制作会社の重要な要素だと思います。

例えばラーメン一杯の伝票に対して、「なんでこんなに高いんだ!使った材料費の内訳を教えろ!」などという方はほぼいらっしゃらないでしょう。
ですが、我々制作というのはすべてオーダーメイドかつ電子データですので、明確な形がない分、何をするのにいくらかかる、その根拠は?という部分を事細かく説明出来なくてはなりません。

私自身、毎回見積書では苦労することもあるので、良い見積書というのが何なのか、ということを偉そうに書けません。
ですが、これは注文を付けられる、突っ込まれる、嫌がられるというポイントはなんとなく掴んでいるつもりです。

今回は、社内共有も含めて嫌われる文句を言われる見積書の特徴をピックアップしてみます。

発注側の立場になるとおのずと分かるのですが、見積書作っている時には気がつかないことも多いですよね。

 

1. 単価の単位が一式。

よく「デザイン一式:○○万円」など結構嫌がられる傾向にあります。
広告業界などですと比較的通りやすいのかも知れませんが、一般の企業やあまり製作会社に仕事を依頼したことのないクライアントには99%説明を求められます。

制作物が目の前においてあってこれで「○○万円」です、と言われれば「ああ、そんなにするんだ、、」となりそうですが、目の前に何もない状態だと根拠は欲しいです。
一律うちは○○万円なんだ!と言われればそれはそれで納得せざるを得ないような気もしますが、そんなことないですよね。

 

2. 諸条件がない。

別立ての資料でも良いかと思うのですが、品目に対して何をしてくれるのか説明がないと、そもそも何をやってくれるのかよく分かりません。
実際に制作が始まったら、それはこの見積り内の作業ではない!なんて言われないか不安になります。

 

3. 根拠が説明できない。

例えば人日で計算している場合、その人日の根拠が何なのか?
例えば自社で同様の案件をこなした場合、制作+確認作業で過去の経験値より算出しているなどの根拠です。

予算内に収まっていれば突っ込まれないかも知れませんが、予算オーバーしていると突っ込まれることは多いです。
特に人日は作業する人の速度なども影響するので、クライアントが納得できる説明をする必要が求められます。

 

4. 項目や単価がコロコロ変わる。

これは主に付き合いのあるクライアントとの見積り書の話です。
同じサイト制作なのに項目立てが変わって料金も上がっている!?なんで??

項目や単価を変更する場合は、きちんと前回の見積りとの相違点と項目の根拠を必要とされます。
二回目以降、同じ制作会社に見積りを頼むときは、ある程度費用感を分かっていて依頼されることが多いです。
ですので、しれっと前回項目になかったような単価を見積もりに含ませると不信感を煽ります。

実際、自分が発注する立場で前回の見積り書にない項目が載っていて費用が上がっていたら質問するでしょう。

 

5. 品目が雑。

クライアントとしては予算オーバーだった場合、どの作業を削れば予算に収まるか検討したい、ということが多いです。

ですので、管理システム開発など管理システムの中に更に細かい機能がある場合は、細かいレベルで項目立てをして費用を算出していくのが無難です。
間違っても管理機能一式、なんて項目で出してしまうと検討の余地もないので注意したいところです。

 

6. 品目名が不明。

備考があれば良いともいえますが、品目見ただけで何をやってくれるのか想像もつかないような品目はやめましょう。

 

7. 端数が出る。

316円とか端数というのは経理処理上面倒だったりすると極力削って欲しいと思われます。
見積りの算出の仕方にもよりますが、管理費などを全体の制作費からパーセンテージなどで算出しようとするとそういうことがおきます。

税抜き価格は割り切れる額が喜ばれます。
まあ、それは無理に合わせる必要はないと思いますが、、、

 

======
簡単に見積りと言われても、作成する際には案件全体をよく理解し、影響範囲や実際に制作する担当者への工数確認など、それなりに時間を使うものです。

特にディレクターの立場だとクライアントには値引き交渉をされ、上司にはそんな価格では出来ない!と突っぱねられ、中間で右往左往することも多々あると思います。
だからお金のことに関わるのは嫌だという方は多いでしょう。

ですが、相手に納得していただいて費用が通って発注をいただいた時は、ちょっとした快感です。

見積書といえども、ちょっとした配慮で親切な印象を与えます。
あくまで主観や経験論ですが参考までに。

執筆者:高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

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