制作会社が残業をしないために出来ること

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制作会社というとバリバリ遅くまで働き、帰りは終電。そんなイメージをお持ちの方は多いと思います。
私も経験ありますが、そういう制作会社は現実に多いと思います。

制作業界の長時間労働は日常茶飯事で、営業時間関係なく修正などの連絡は当たり前のようにやってきますし、夜の8時や9時なら電話したら出ないのがおかしい、といわんばかりです。

そもそも私自身は朝早いほうが集中できるタイプなので、夜にエンジンかかってくる方と働くと必然的に長時間労働になってしまい、この制作業界の「夜がんばる風習」をなんとかしたいと常々思っていました。

最近は若い会社も多くなり、採用サイトなどを見ていると、残業スタイルがどこの会社でもちょっとづつ改善しようとしているように見られます。
これは良い傾向だと思います。

当社でもなるべく、だらだらと残っているなら帰っていただくようにしています。
(残っていられると私が帰りにくいので。)

今回は制作業界の残業をなくすことについて考えてみます。

残業問題というと業界の抱える大きな問題のようにも思われますが、単純に私が早く出社して早く帰宅したい、残業をなくしたい、というだけの話なので、お気軽に読んでいただければと思います。

スケジュールに予備を持たせる

当たり前のことから書いてきます。

スケジュールは一日8時間なり会社で決められた労働時間を一日として引いているはずですよね。
ディレクターなり管理する人がスケジュールを引く時、土日祝日や残業時間帯までを作業に入れて引いていないはずです。

では何故残業する必要が出てくるのでしょうか。
誰かがどこかで予定通りの動きをしていないから、スケジュールに歪みが出てきて、それが原因であることが一番多いでしょう。

例えば制作会社が予定通り提出していても、クライアントの確認が遅れる、その逆でデザインが予定通りにFIXできていないから後の工程がずれていく、単純に作業を先延ばしにしていた、などなど。

制作中の予想していない遅れは人間のやっている作業なので、しょうがないといえばしょうがない。

ですからスケジュールは多めに取るのと予備日を設けることである程度のリスクは防げると思っています。
当たり前っていえば当たり前ですね。

 

働く時間を合わせる

たとえばフレックスの会社でデザイナーは午後に来ていてディレクターは午前中から来ているとします。

定時になり、始業の時間から来ていたディレクターは時間的には帰れるけど、後から出社したデザイナーは自分のペースで作業していてディレクターは確認とクライアントへの提出ができない。そうするとディレクターはクライアントと約束していたデザイン提出が出来ませんので、「デザイナーを待つ」という残業が必然になります。

制作の過程における修正などであればしょうがないのですが、そもそもの時間差、これは無駄ですね。

ですから、個人的にはフレックスというものがあまり好きではありません。
夜型と朝型の人が一緒に働くと非常に効率悪いのです。

ですからルールとして働く時間は一緒、これが一番です。

営業時間内での対応方針であることを明確にする

営業時間など時間の境界線なく対応していれば、そういう風になってしまいます。
たとえばサーバ会社のサポート窓口は18時には閉まってしまいます。いつまでも対応していればキリがありません。

クライアントにとってみれば、対応してくれればいつでも対応してくれるに越したことはありません。
ですから制作会社の方から、いつまで頂ければいつまでに提出できるという境界線をきちんと明示することが重要です。

例えば、19時が提示であれば、少なくとも修正は17時までに欲しい、それ以降は翌日の対応になる、などの線引きです。
会社としてそういう方針であることをきっちり明確にして対応すればたいていのクライアントもそれに合わせてくれるはずです。
(会社には営業時間というものがあることくらいはわかってくれるでしょう。)

ただ、こちら側に遅延やミスがあればそうもいきませんが。。。

 

集中してミスをなくす

今日の作業終わりました!でもミスやバグだらけ!!!!
これでは終わったことにはなりません。

前項でも述べたように遅延やミスをしておいて「営業時間なんで閉店です」と言っても誰にも納得してもらえませんし、会社の信用を落とします。

ですので、当社でも注意しているのは業務時間中だけでもSNSなどの利用は控えて集中して作業をして欲しい、ということです。
人間集中力がそうそう持ちませんので、十中八九守っていただいてはいないと思いますが、一応注意勧告しています。

ミスがあることで、おたくの瑕疵であるから本日中に対応せい!ということにもなりかねません。
今日中に提出するものに不具合があればその日中に対応せざるを得ませんよね。

単純に時間が来たから、ではなく時間内にきっちり仕上げる意識も必要だと思います。

 

残業=がんばっているわけではない。

昔、「デザイン部門は遅くまでがんばっているのに、エンジニアは毎日早く帰って、、」などと言われ肩身が狭い思いをしたことがあります。
やることがあればやるけど、デザイン手伝えるわけでもないし、、となんだか釈然としない気分で会社に通っていたことをよく覚えています。

確かに人間、自分が遅くまで働いているのに先に帰られると良い気分はしません。
むしろ「あ!帰りやがった!」くらいの気持ちになるでしょう。
それはしょうがないと思います。そこまで出来ている人間も少ないと思います。

手伝えることがあるなら一緒に手伝うのは当たり前です。
でもジャンルが異なる作業をしているのであれば、忙しいタイミングがそれぞれあるのはお互い様です。
そこは割り切った方が残業しないといけないムードを打破できるのではないかと思っています。

残業している姿自体は頑張っているように見えることもありますが、冒頭でも書いた通り、何かがマイナスの原因で残業しているのであって、もしかしたら自業自得なだけかも知れませんし、もしかしたら可哀そうなのかも知れません。

帰りたいのに残っている、という部分では精神的には確かに頑張っていると思いますが、時間内にきちんとしたものを制作するのが格好良いです。

残業すると大して進捗が進んでいないのに、すごい頑張った気分になってしまうのも、また欠点です。
また、「長時間労働=本人頑張った」という部分もあり、武勇伝のような感じで他人にも同じ試練を与えたくなってしまいがちです。

これも気持はわかります。
でもこれもよくないですね。

 

======

 

なんというんでしょう。
残業してバリバリ働いているから良いものが出来るような感覚はなくしていきたいものですね。

まあ、大体徹夜して作業したものにろくなものはありません。
健全な労働の元に良質なものは出来上がるのだと私は考えています。

 

執筆者:高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

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