4月も始まり当社も実稼働してから6年目となりました。
(登記上は2009年1月ですが色々準備などしていて実質2009年4月から実稼働しています。)
当社では創業当初、毎週月曜日にアイデア会というのを開いて、新しいサービスのアイデアなどを出し合うということをしていました。
やたらとブレストブレストを言われていた時期で、当社でもブレストしてアイデア出そうとブレストを結構開催していました。
中小の制作会社では、制作者も自社のサービスやクライアントの提案など、様々なアイデアを求められることがよくあります。
特に経営者とスタッフの年齢が離れていたりすると、若い人のアイデアを欲しいということを言われることも多くあります。
どこの制作会社でも「もっと自由なアイデアが欲しいんだよな。」「もっと発想の違うアイデアが欲しいんだよな。」と、いつもアイデアを欲しがっている経営者の方を見かけますが、アイデアの集め方に問題はないのかな、と最近考えています。
というのは、当社でもアイデアを募っても集まらないことの方がほとんどなのです。
ひとり何案など強制的にアイデア数を決めたりしていたこともありますが、そういうことをしても採用されるようなアイデアが集まったことはありません。
改まってアイデアも募ろうとすると集まらないのですが、これがちょっとした雑談だと集まることも多くあります。こうなったら良いな、こういうのあったら良いな、というレベルのアイデアは比較的誰でも2、3個くらいはあるものです。
(ない、という方でも日常を思い起こせば、あると思います。)
出している当人はアイデアと言う感覚ではないと思うのですが、それを拾っていくとアイデアになったりもします。
要はアイデアが出ないのは、アイデアを欲しい人の集め方の問題ではないかと思うです。
今回はアイデアがどうして出ないのか、どうすれば出るのか考えてみたいと思います。
まず、どうして思ったようにアイデアが出ないということが起こるのでしょうか。
そのことについて考察してみます。
目次
アイデアが出ない理由。
アイデアは持ってないけどダメ出しは出来る人がほとんど。
自分から実現レベルのアイデアを出せる人って実際にはほとんどいません。何故かというとWebサービスやアプリなどは技術的なことの介入が不可欠なので、ある程度の知識がないと絵空事のようになってしまい、結局実現にいたらないのです。
ですが、大半の人は誰かのアイデアや意見に対してダメ出しをすることは出来ます。
例えば「そのサービスはすでにある」「その仕組みだとユーザーは使わない」「そこまでのことをユーザーにやらせるとサービスの敷居が上がってしまう」などなどアイデアに対しての分析とダメ出しなら出来るという人の方が多いです。
ブレストでは否定的な意見や批判はしないというルールでブレストをするところもあるようですが、これだと否定意見しか出せない大半の人は何も言えません。
また、制作会社には制作をやりたくて来ている人も多いので、みんながみんなWebサービスのアイデアを考えたい、という人ではないのです。
運用したい人もいれば保守などシステムを管理したい、デザイン制作をしたい、様々です。
そういう人たちにアイデアモチベーションの高い人がアイデアアイデアと言ってもアイデアというアイデアは出て来ないことが多いのです。
帰宅後や休日にアイデアを考えるような人はほぼいない。
業務中に3時間やるからアイデアを考えてくれ、という会社はほとんどないと思います。アイデアを求める側としては帰宅後の時間や休日にアイデアを考えてきて欲しいと考えます。
ですが、よほど好きでない、もしくは自分が主体で仕事を進めている方でもない限り、会社から一歩出たら仕事のアイデアなんて考えないのではないでしょうか。それが悪いとか良いではなくて、会社員ってそんなものです。
アイデアを集める人は自分のモチベーションで相手に対しても常にアイデアを考えることを要求してしまいがちです。
アイデアがないのは、ないのではなくて考えてきてないだけなのです。
アイデアって恥ずかしい。
自分にアイデアがあっても面白いか分からないから恥ずかしい。周りの人のアイデアに比べてちょっと劣るから言うのが恥ずかしい。
面白いアイデアなんだけど、口に私の口からは恥ずかしくて言えない。
人によってはアイデアを持ってないわけではないけど出せない人もいます。
キャッチコピーや企画の表現などもちょっとくさい表現とかするのが恥ずかしかったりします。
慣れなのですが、そういう人も結構いるのです。
ブレストも会議。
割と自由な意見交換会であるという名目のブレストであっても、例えば会議室に集まった時点でそれは会議です。主催者側がどんなに自由な場だと言っても、発言すれば他の人の意識が自分に向くので人によっては多少の緊張が生まれます。
ですので、発言出来る人と出来ない人が出てきます。
暇な人ほど人を集めていちいち打ち合わせをする傾向にありますが、制作現場でそれをやると、実際に手を動かす人にとっては迷惑この上ないこともあります。決裁権のある人がきちんと進行出来れば話は別ですが、いずれにしても改めて人を集めた場での意見交換会は意見を発せられる人の場でしかないのかな、と思うことがよくあります。
アイデアとは結局決裁権を持つ人が納得できるもの。
結局、アイデアは決裁権を持っている人が納得いく、もしくは出して欲しいと思っていたようなアイデアだった時しか反映されません。よく「なかなか良いアイデアが出ないんだよな。。」なんて言ってる人もいますが、良いアイデアかどうかは決裁権を持つ人の感覚です。
ただ、会社としてやっていくには誰かが判断しなくてはなりません。
決裁権を持ってやるやらないと冷静に判断する人の存在は必要です。
ですが、やるかやらないか分からないのにアイデアばかり求められても、、というところが少なくともあると思います。
アイデアを出してもらうには。
雑談の中からアイデアを拾う。
昼休みや作業中のちょっとした雑談の中でもらえるアイデアや意見の中にはたまに面白いと思うものもあります。そういう意見を拾っていくのがアイデアを実行する決裁権のある人の役割なのではないかな、と思います。
「アイデアが社内でなかなかでなくて。。」と嘆いていらっしゃる方は、アイデアを拾うということを考えてみることをお勧めします。
アイデアアイデア言ってる人は受け身のことが多いです。
アイデアが欲しいのであれば積極的に制作現場との距離を縮め、ちょっとした雑談などの中からアイデアや意見を拾うことで得られるものもあると思います。
賞金制にする。
例えばアイデアの採用者には金一封など特別ボーナスが出れば、みんな夢中でアイデア出すと思います。中には休日に出しまくってくる人もいるでしょう。
やるかやらないか分からないのにアイデアを求められてもモチベーションは上がりません。
ですが、金がかかれば話は別!という人は正直なところかなり多いでしょう。
ある企業で社内で使いキャッチコピーを採用者には賞金付きで募集したところ従業員数の3倍集まったと言います。
もちろん賞金がかかってますから、かなり真剣に考えて来たのだと思います。
どうしても欲しいのあれば賞金制という形を取れば効果的です。
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アイデアマンじゃなくてもちょっとした気づきは誰でも持っています。
アイデアが出ないのではなくて、要はそれをどうやって引き出すかによるのだと思います。
参考までに。