便利で良いサービスって何なんだろう。

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当社のコンセプトに「便利で面白いサービスを作る」という言葉があります。

では、面白いとか良いとか便利なものって何でしょうか。
何だか漠然としていますよね。

創業時に自分で掲げておいてこう言うのも何ですが、サービスを作ったりクローズしたりして、便利で面白いって何なんだろう、良いサービスってなんだろう、ということを最近考えています。

例えばWebサービスを作るにあたっては

「日常生活で便利に使える。」
「インターフェイスがわかり易く誰でも説明なしに使える。」
「ユーザーサポートが行き届いている。」
「サービスの動作が軽くサクサクと使える。」
「デザインがきれいで使いやすい。」
「サービスそのもののコンテンツが豊富。」
「常に最新の欲しい情報が手に入る。」

などなど良いとか便利の条件はちょっと考えただけでも色々と出てきます。

でも、この条件だけで何かを作り出そうというのはなかなかに難しいです。
では、その良いもの、便利なものとは誰にとってのそれなのでしょうか。
世界中の人でしょうか。日本のすべての人でしょうか。それとも共通の趣味を持つすべての人でしょうか。

当社では自分達も使うサービスを作る、ということでグループウェア「Grmo」や経理サービス「keiri」、バグ管理サービス「COLORBOX」などのサービスを作ってきました。
実際にすべてのサービスを日常的に利用しています。
むしろkeiriCOLORBOXなんかは業務上なくてはならない存在です。

創業時からWebサービスを作り続けてきましたが、結局誰も使わなくなったり運用できなくてクローズしたサービスが多々ありました。それは自分達も使わないし、ターゲットがいまいち絞れていなかったターゲットが見えていなかったことが原因だと思っています。

ただ、便利かも、面白いかもで作った結果でした。

最近、「ぜんぜん気にしない技術」という本を読んでいて、その中で著者の家入一真さんが「大きな目標ではなく、まずは身近にいる人を喜ばせるものを作れば良いんじゃないか」みたいなことを書かれていました。

まさにその通りと思いました。
「企業として」とか「今までにない」「世の中に認められる」みたいなものに結構がんじがらめになっていた自分には目から鱗でした。

そんな視野が狭いから、日本からは世界に通じるサービスが生まれないんだ、と言う人(批評家)がいるかもしれません。

ですが、FACEBOOKだって学内だけのサービスから発達して今や世界の人が使うサービスになりました。
study giftという学生の学費支援サービスも一人の女子大生のために作られたサービスだそうで、一時はかなり物議を醸し出しましたが、社会に対してこのようなサービスの是非を問いただす大きな影響を与えたサービスだと思います。

みんな出発は身近な人のためから始まっています。

これは個人的な話ですが、例えばうちの妻は100円SHOPを検索するアプリをよく使っていました。

そして、何かこういうアプリ欲しいとかってない?という話をした時にこう返されました。
「便利か何だか知らないけど、使い方や便利さが直感的に分からないサービスやらアプリなんかより、買い物に出たときにこの近辺の100円SHOPがどこにあるか、とかそういうシンプルな便利さが一番良いんだ、SNSとかよりこういうの作れば良いのに。。」

確かにそれもまた然りだと思いました。

ちょっと視点を変えて、目の前の人が欲しいと思っているものを作ってみる。
目の前にいる人が育成ゲームが好きだ、というんなら育成ゲーム作って喜んで貰えれば良いし、それがもしかしたらヒットするかも知れません。
よく制作会社ではアイデアをブレストとかで出し合ったりしますが、逆に「○○が欲しい」だけを集めて、その人のために作るっていうのも面白いかもしれません。

ただ、企業でサービスを作る際、やはり収益性だとか色々と考えないといけません。
作っている時間についても給与が発生している以上、趣味というわけにはいきません。

そうは言いながらも、「企業で作る・収益を上げる」ということにこだわり過ぎて、あまりに大きな便利や顔の見えない人に向けたサービスを考え始めると当たらなかった時のダメージは大きいです。
(実際、当社で作ったサービスも含め、企業で作るサービスでイマイチなものは、自分たちでは使っていなかったり、顔の見えない多くの人に向けすぎて空振りした、というのが殆どの原因ではないのかと思います。)

よくターゲット層とか言いますが年代とか男女とか職業でカテゴライズしても、顔の見えない不特定多数の人へ向けることには変わりありません。

ですので、まずは身近な人の喜んでもらうことを想像してアイデアを出すのもまたひとつなのかな、と思います。
受託制作の面白いところのひとつは喜んでくれる、満足してくれる人が見えるところです。
制作者も実在する誰かのためにという方が、喜んでもらうために本当に良いものを作ろうという気持ちは強くなるのではないかと思います。

そろそろ、新しい企画のアイデアを考えていてふと、こんなことを脱線して考えていました。
ちなみに偉そうに書きましたが、アイデアはまだ思い浮かんでおりません。

執筆者:高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

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