制作におけるお値引きの条件を考える。

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事務所の窓から見える梅の花が少しづつ開いてきて、季節の移ろいを感じる季節になってきました。
こんにちは。株式会社8bitの高本です。

先日、某家電量販店でビデオカメラを購入した際、値引き交渉をしたのですが、最終的にポーチみたいなものをおまけしてもらうだけでポイントも付かず、なんだか敗北感を味わいました。

値引き交渉というとWeb制作をしていると、する側ではなくて、される側であることが圧倒的に多いです。
制作費の値引きというのは、人が動いた分の時間や技術に対して支払われる対価ですので、簡単に「あ、いいっすよ!」なんてわけにもいきません。

それでも、今までのお付き合いなどでお値引き対応を迫られることもあります。
何の条件もなしに相手の言い値で制作していたら、どんどん自分たちの仕事の値段は下がっていきます。

ですので、予算の中で出来ること、出来ないことの線引きはしなければなりません。

ですがどうしても、ということでお値引きという項目で値引きを行う際に、こちらも頑張るのであれば、相手にも何か条件を飲んで頂きたい、と思うのは当然ですし、それが交渉というものです。

そこで、今回は制作以外の他業種のお値引きを参考に、制作のお値引きの条件について考えてみました。
(もちろん、絶対に値引きしない!といったスタンスもあるとは思います。)

例に挙げていない業種でも同じようなセールはやっていますが、個人的な経験でピックアップしただけなので、その辺は特に突っ込まずに読んでいただけると助かります。


引っ越し屋さんの場合

以前、引っ越し屋へ相見積もりを頼みました。
あんまりたくさんの会社に見積もり依頼すると後で営業プッシュが厄介なので、厳選して2社にお願いしました。

A社はあんまり安くなく、値引き交渉もそこそこでストップしてしまい、金額より質を重視しているとのことでした。
もう一社のB社の方は業界でも安さに定評があり、ここは最初に予算感を出しておいたらそれ相応の金額を出してくれました。

そこで、後から来たB社にはいったん他社と比較する旨伝えて、いったんお引き取り願いました。
後ほど連絡しようと思ったのですが、なんとそのB社は会社に帰らず外で待ってるんです。
「ああ、しばらくしたら自分から来るな」と思っていたらやっぱり家に来ました。

ものの数分しか経っていないのに来られたので、こちらもまだ検討できていない旨伝えると「今上司と電話がつながっているから話をしてほしい」というのです。
しょうがないので出てみると「この電話で決めてくれればこの値段でがんばります!」とのこと。

でも即決しても良いものか、迷った末にいったんその電話は切って、しばらく検討してやっぱりB社の方が断然安く、以前お願いして対応も悪くなかったのでB社に連絡しました。

「さっきの電話でお願いした値段で」と伝えると、さきほどと打って変わって「いや、さきほどの電話での即決価格だったので、、」とその最安値では断られました。でも、A社より全然安かったのでB社に決めました。

長々と書きましたが、この交渉でわかったのは、値引きの条件として「即決価格」ということです。
あんまり買い叩かれると困ってしまいますが、相見積もりで他社と検討中の状況で、お値引きを交渉されたらこの「即決価格」という考え方もあるのかと思います。

「何日までに弊社に決めて下されば!」という条件ですね。
実際に試したことはないのですが。。

家電量販店の場合

冒頭の件で触れましたが、家電製品だと「現金値引き」などがあります。
あと、ポイント還元なし、での特価などなど。

要するにクレジットカードなどは量販店にとってみれば手数料も取られるし、その場で現金で購入してもらえるならお値引きしますよ、といったところだと思います。
(それ以外にも色々理由はあるのかもしれませんが。)

これに応用するのが、支払いサイトの変更ではなかろうかと思います。
制作業界、取引条件によっては支払いサイトがかなり先の場合もあります。

お値引きの代わりに支払いサイトを通常より早くしてよ、という交渉です。
制作でネックになるのが、納品が延びる=請求も延びるという方程式です。

さすがに家電製品とは違い、何にもないのに、お金だけ先にちょうだい、というのは着手金であれば別ですが、全額は難しいかと思います。
こっちも頑張るからお願いしますよ、という交渉の切り口にはなるのかな、と思います。

名刺屋さんの場合

よく名刺屋さんに名刺をお願いすると、200枚以上なら通常1000円のところを800円!!みたいな、所謂たくさん買ってくれた人へのバリュープライスがあります。(値段はあくまで例えです。)

制作に強引に置き換えるなら、要するに作業の効率化をいかにするかだと思います。
たくさんのものをいかに少ない工数で制作できるようにするか。

これには、テンプレート化して作業を効率化できるような構成にしていただく、などがあると思います。
すべてのページのレイアウトが異なるとそれ相応に設計しなければなりませんし、当然工数の分費用もかさみます。

一つのテンプレートでページを量産できるような形を検討できれば、その分工数も節約できるのかな、と思います。
この辺りは、サイトの内容にもよるので、いかに要望とマッチさせた形でうまく内容をまとめるか、だと思います。

その他にも

携帯電話の2年縛りなども値引きの条件ですね。
制作でも昔(今もある?)はリース契約みたいなものがあったようですが、これはあまり参考すると色々問題も起きているようなので割愛します。

*******

値引きという題目で書きましたが、大前提として実際かかる工数を何の根拠もなしに帳尻合わせのように減らすようなお値引きはよろしくないと思います。

予算があれば、その枠内の工数でいかにお客さんの要望に近い形のモノを提供できるかだと思います。

何の条件もなしにお値引きに対応していると、次回からもその費用感になってしまい、結果的に自分たちの制作価値をどんどん落としていくことになってしまいます。

とはいえ、当然頼む方の身になってみれば、安くて良いモノを手に入れたいというのは当たり前の心情。
よく話合って、お互いに歩み寄れる部分は歩み寄って、お互いに納得の形でおさめられる交渉をしたいものですね。

執筆者:高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

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