どうしてデザインはなかなか一発OKにならないのか。

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デザインをデザイナーが制作をしてディレクターが確認・修正指示してデザイナーが修正して、クライアントが確認してデザイナーが修正してといったことが工程が制作では繰り返されます。

そういった過程の中でせっかく最初にデザイナーが作ったデザインは跡形もなくなっている場合も多くあります。

正直な気持ち一発OKであればそれが一番だと思います。
そう思っているので、毎回イメージのすり合わせを行っているのですが、これがなかなかうまくいかない。
自分はこういった筈なのに、完成したものが異なるから修正してもらう。この繰り返しになります。

感覚の違いなので、作る方、指示する方どちらが悪いとかではなくて、根本的に何が原因なのだろう、ということを最近考えていました。
長い間一緒に仕事をしているから大体感覚が合ってくるかと思うと、そうでもないように思います。

私はデザイナーではありませんが、作ってもらう方も「何かが違う」「イメージと違う」ではなく、どこに違和感を感じるのか?をきちんと把握してデザイナーに伝えないといけないと思っています。
もちろん、ターゲットに対してそれが有効な修正なのかどうかは考えないといけません。
そういった部分も踏まえて、うまいこと伝えられればといつも頭をひねっているつもりではあります。

ですが、なかなかうまくいかないこともあります。
すり合わせたつもりでも細かい部分での感覚の違いが形になった時に出てくるのだと思います。

実際にいつも制作に携わっていて感じた感覚の違いについて書いてみます。
 

マージン(余白)の心地よさの違い

Webサイトのデザインにおいて第一印象でマージン(余白)の感覚の違いが大きいように思います。
ある人はたっぷりと余白のあるデザインが美しいと思う。
でもある人は一画面でなるべく多くの情報が見たいから余白は極力詰めて欲しい、または詰まっているデザインの方が良いと感じる。

余白の感覚というのは非常に人によって異なるようで、ぱっと見で余白の大きさの好みによってはスカスカに見えてしまう人もいれば、空白が落ち着く、美しいと感じる人もいます。

ここで感覚が異なると、まずはイメージと違うといった結果になるような気がします。

 

色使いの好みの違い

サイトのキーカラーは決まっている状態で、薄い色使いが好きか、ビビットな色使い、要ははっきりとした色使いが好きかどうかです。
男女の感覚の違いも大きいと思います。

たとえば依頼者が男性の場合で女性のデザイナーが作った場合、ビビットな色使いでよろしく!といってもそのビビット感が異なります。
デザイナーにとってはこれ以上濃くするときつ過ぎる、という色が男性の担当者にとっては一番好きな色使いの場合もあります。

色の組み合わせの好みもそうです。
サイトのデザインだけではありませんが、シャツとパンツを組み合わせの好みの感覚などはその顕著な例でしょう。

同系色の組み合わせが美しいと感じる人もいれば、他の色との組み合わせが格好良いと感じる人もいます。

もちろんターゲットにあわせてつくるべきですが、担当者が納得できないものは公開しないでしょうから、やはりすり合わせは大切です。

 

フォントの種類とかサイズの好みの違い

小さなフォントのほうがデザイン的に格好良くみえる、クールな感じに見える。
とにかく既存のWebサイトはフォントが小さすぎて読みにくい、フォントは大きく。

フォントサイズの感覚は人によってかなり異なります。
普段インターネットを楽しんでいて多くのサイトを見慣れている人と、たまに見る人でもずいぶんとフォントサイズの感覚は異なるように思います。

あと、フォントタイプの好みです。
私は新ゴが好きだけど、小塚が好きなデザイナーが小塚で作ってしまうとなんだか違和感を感じる。
これは男性と女性の感覚の違いも結構大きいと思います。

当然読んでいる雑誌や見ているサイトも異なるので、好き嫌いは分かれるところです。

 

立体感覚の違い

具体的にいうとクリックできると認識できるかできないか、です。
タブやボタンにしてみても、人によってはクリックできるかわからないよ!といわれる場合も多くあります。

特に最近流行のフラットデザインはどこがクリックできるのかよくわからん、といった声もよく聞きます。
Web制作業界にいると流行のデザインを取り入れようという傾向があるように思います。

普段見慣れている人の感覚とそうでない人の感覚は大きく異なります。
立体感のないボタンやタブでも暗黙の了解で分かる人と、分からない人もいます。

タブひとつとってみても自分たちは当たり前のタブだと思っていても、タブで情報が切り替わるという認識がない人もいます。

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依頼した人の感覚が、そのサイトを届けようと思っているターゲットに対して正解なのかは分かりません。
でも、自分が納得できないものを世に出すというのも、デザインを依頼する側にとっては不本意なことは確かです。

システムのように明確な動きの正解があればゴールは見えるのですが、デザインは依頼者と作る側の感覚が異なると平行線のままでいつまでも解決しない場合もあります。

デザイナーなんだから、そこは頼むよ!という気持ちも分かりますが、感覚の違いだけはやはり違和感を持った側がきちんと伝える術をもたいないといけないと思います。

もちろんデザイナーも自分のデザインがどうターゲット層に受け入れられるのか、きちんと説明できて依頼者に納得してもらえれば、それが一番だと思います。

今回、挙げたポイントがデザインの解決になるとか限りませんが、少なくとも違和感をもった場合、違和感の詳細を考えるヒントになればと思います。もし、求められている修正点がいまいちよく分からない場合、挙げたようなポイントでミクロなレベルでヒアリングして感覚を近づけていくのもひとつのデザイン解決の手かも知れません。

 

執筆者:高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

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