WebディレクターのWeb制作現場におけるサービスとは何か?

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こんにちは。株式会社8bitの高本です。
安売りしない会社はどこで努力をしているか?」という本を読んでWeb制作におけるサービスについて考えてみました。

Web制作でサービスというのを「なんでもしてあげる」「費用にない修正もやってあげる」ことをサービスと思っている方がいらっしゃいますが、私はそれはちょっと違うのではないかと思います。

もちろんお客さまと仲良くなって、ちょっとした修正などのおまけをサービスとして次の案件もいただく、それはそれでありかと思います。

ですが、それだけを続けていくと、いつもおまけをし続けていかないといけませんし、人間は一回やってもらったことは次からは当たり前になってきますので、案件だけは増えても、結局会社の利益は上がらないということにもなりかねません。

しかも結構疲れます。

会社として利益向上につながらないようなこと、損益を出すような行いを繰り返すことはサービスでもなんでもないと思います。

そこでWeb制作におけるWebディレクターができるサービスというのはどういうものなのか、今一度考えてみました。
別にすごい努力をしなくても出来ることばかりです。

拙い個人的な経験をもとにしていますので、あくまで参考までに。

1. お客さまが気が付かない部分に配慮する。

たとえばタイトルの付け方やdescription、アクセス解析など実際に制作現場の人間しか意識しないような部分です。
クライアントから指示がなければそのまま「指示されておりませんので、、、」と言われてしまうと、客の立場から言うと「自分が分からないからお金を払ってお願いしているのに、、」と思ってしまいます。

たとえば、お願いされていない作業については見積り時に、「こういうことも必要なので、その分の作業として計上しています。」と説明すれば「なるほど」と思っていただけるでしょう。
個人的な経験上、お客さまは「あとからお金がかかる」ことを一番嫌がります。
後から「アクセス解析は言われてないので設置していません。別料金になります。」なんていうと「それであれば初めに言ってもらえれば予算も組んだのに。。」ということになります。

2. 持ち帰りを減らす。

Webディレクターの中には「システムのことなんでちょっと。。」と言ってほとんどすべてを持ちかえる方を見かけますが、こういうのは完全に不信感を招きます。
分からないのになんででてきたの?」お客さまの立場ならそう思います。
その場でわからないことを解決したいから打ち合わせの場を持ったのにすべて持ち帰られてはせっかくの打ち合わせの意味がありません。

もちろん、すべて受けてきて持ち帰ったら「こんな仕様じゃできねえよ!」なんてことにならないようにしないといけませんが、ある程度分からないことがないようにしないといけません。
「こういう方法であればできると思いますが、持ち帰って確認します」そのくらいのことは言えるように勉強しないといけないと思います。
自分の専門分野以外の制作や開発のことでも広く知識を持っていることがWebディレクターには求められます。
肩書きなんてお客さまには関係ありません。

商談でもなんでもそうですが、お客さんはすぐその場で解決したいと思っているはずです。

3. 代替案を必ず出す。

1ともかぶりますが、技術や予算諸々の都合でできないことがあった場合、「それはできません。」の一点張りではなく、代替案を必ず出してあげるべきです。
「この予算ではできないけど、こういう方法であればぎりぎり出来るかもしれない」など、出来ない場合でも解決のヒントや実現する方法を提案してあげることは大切です。
お客さまの立場だと「できません」で完結されてしまうと「じゃあ他の業者探します」で終わってしまうと思います。

4. 客の立場になって言葉をえらぶ。

マーティング用語などをずらずらと並べて話す方って「できる人」みたいなイメージありますが、よくわからないこと言われるとイライラします。
話す時も言葉を選んで分かりやすく理解してもらうつもりで、話す必要があります。

自分や業界内でしか分からない言葉を使いまくってしまうと、その都度質問してくるお客さまであれば良いのですが、ざっくり話を聞いてあとはお任せみたいなお客さまだと、最終的に意思疎通がうまく取れず、最後にもめるようなこともあります。

——

・・・とここまで偉そうに書きましたが、長い付き合いのお客さまなどにいきなり、今までとは取引形態を変えることなどは難しいですし、起業したばかりの会社であればそんなに実績もないので、ついついおまけや低価格でお客さんの絶対数を増やそうと思ってしまいます。
自分でもよくやってしまうことはあります。

ただ、やっぱり価格競争で取引きができても、そのお客さまとは長続きしないことが多いです。
提案して自分たちのスキルとか提案を買ってくれたお客さまとの方が長続きします。
ホームページ自体、誰でもつくれるものという認識の方が今や多いので、純粋に忙しいから業者に任せるという感覚の方もいらっしゃると思います。

業界内では、Web制作会社の立場や価値をもっと上げていこう!みたいな動きがありますが、言われるがままに作るだけだとその価値は上がらないし、下請業者みたいな立場でしかなかなか使ってもらえないです。

まずは、お客さまからみて「これは専門業者に頼まないと分からなかったし、良かった」「さすがプロは違う!」と思わせる努力とサービスをしないといけないません。
Webディレクターはただの制作工程管理だけではない、と思っていかないとWeb制作会社の立場は向上していかないと思います。

執筆者:高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

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