使われない残念なWebシステムにならないために。

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こんにちは。株式会社8bitの高本です。

当社ではGrmoというグループウェアをより多くの方に利用していただきたいので、再度社内で徹底的にこのグループウェアを使いこんでユーザービリティーについて改善をしていこうとしています。

グループウェアというのは毎日のようにスケジュール管理やタスク共有をするためのシステムですので、ユーザービリティーについてはかなりシビアに見られます。

一概にシステムといっても、
「SNSなどのWebサービスなど余暇で利用するもの」
「毎日ビジネスで利用するもの」

については別の観点でのユーザービリティーなどの使い勝手が求められます。

ゆとりの時間の中で使う「面白さ」
と、ビジネスの中で使う「便利さ」では異なる意見や要望をいただきます。

Webシステムは、企画・開発した側にすると「こんなに優れていて便利なのに何故使わないだ?!」と思うほどよくできているはずなのに、時間もかけたのに、使ってもらえない。。ということを経験された方は数多くいると思います。

ユーザー数の多い、導入企業の多い、Webシステムの背景にはかなりの埋もれていった類似のシステムが沢山あると思います。
実際に開発や企画をしていると「同じこと考えてたのに。。。」「こっちが先に出してたのに。。。」と悔しい思いをした方も多いでしょう。

では、なぜ同様のもの、もしくはそれ以上と思われるものを作っているのに使われないシステムと使ってもらえるシステムの差がでてくるのか?ということについて書きたいと思います。

これは私が経験した納品した現場での意見や社内で話しているときに出た憶測や意見ですので、あくまで参考までに。

1. ユーザーが操作を間違えることが考慮されていない。

当社内で作成したCMSを実際に導入してパートさんに使っていただいていたときのことですが、とにかく操作を間違えます。
たとえば数値を入れる際の単位を見ていなくて桁数が間違っていたり、少数点の点をカンマで打ってはいけないのにカンマで打っていたり、、作っているこちらが全然予期しない部分、「どうしてそうなるの?」というような誤操作をするのです。

間違っているのはエラーではじくから誤入力にはならないのですが、何回もエラー画面を連発して、その都度入力しなおしたりしていると入力している方もうんざりしてきます。

そのうえでよく

「間違えないようにシステムを組み替えてほしい!!
・・要するに間違えることを想定として、自動的に修正もしくは間違える操作をシャットアウトするようなシステムにしてほしい。」

という要望をよくもらっていました。
こっちは素人なんだから、結果としてエラー返すのではなく、エラーにならないような操作手順を強制してくれ。というわけです。

確かに、作り手としては「ちゃんと注釈もあるしヘルプもあるんだから間違えるなよ!」と思うところもありますが、実際に使っているとどうしてもご操作をするのです。

ですので、人間は間違えるということを念頭に設計しなければならないと思います。
使うのは自分ではないということです。

2. 何か入力するたびに必須項目が多すぎ。

これはSNSなどの登録制Webサービスにも言えることですが、とにかく必須入力項目が多いと嫌がられます。
PCに触りなれていない方が事務で操作する際は特に、です。

当社のグループウェアはカスタマイズ導入できるのですが、ご要望を伺った際に機能をどんどん省く、必要以上な入力はさせない、という要望がほとんどです。
作り手としては「あんな項目もこんな項目も設定できるんですよ!」としたいところなのですが、使い手にとっては毎日使うものであれば、よりシンプルかつ極力キーボード打ちたくないというのが本音です。

ですので、必須項目が多かったり、やたら機能がてんこ盛りなのも嫌がられる傾向にあるのかと思います。

当社のグループウェア「Grmo」ではこの点を考慮して機能を選べる。という設定を付けてみました。

3. インターフェイスデザインで選ばれる。

私がシステムエンジニアで官庁系のシステムなどをバリバリ開発していたときはVBかVCでした。

今はそんなことはないのかもしれませんが、そういうシステムというのはVBのボタンそのままだったり、ただ並べただけであったりするのでとにかく素っ気ないデザインでした。

当時はそれでもインターフェイスに関してごちゃごちゃ言う方はいませんでしたが、最近は様々なWebサービスなどもありますので、ユーザーの目は肥えてきています。
ぱっと見なんだか「厄介な感じ」「難しそう、、」というイメージを持たれてしまうと、今は類似のサービスは大抵探せば出てくるので、第一印象で使ってもらえないでしょう。

やはり常用するものであれば、見た目にもストレスなくインターフェイスが使いやすくないと、システムの作りがしっかりしていたり、ロジックが凄く良くできていてもユーザーの目に留まらないと使ってもらえないのかと思います。

———————————————

先日スケジュール管理で「トントン」というサービスが話題になっていました。
http://tonton.amaneku.com/

数あるスケジュール管理ツールがある中で、どうしてこのサービスが話題になったかというと、第一印象の見た目の斬新さやサービスの細かいところに手が届くというところなのだと思います。

個人でも作る人がどんどん増えている中、今までにないサービスやシステムを考えるのはかなり難しいと思います。
では、どこで差を付けるかというとやはり上記のようなところなのかと思います。

執筆者:高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

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