一見みた目が格好良いWebデザインが陥りがちなユーザービリティ―の落とし穴

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制作会社でチームでWebサイト制作をおこなっていると、デザインの良し悪しというのはデザイナーさん自身に直接ぶつけてくる方はかなり少ないです。
たいてい、ディレクターなどが伺った感想をオブラートに包みつつ、気を使いながら修正内容を伝える場合が多いのではないでしょうか。

Web制作はディレクター、デザイナー、マークアップエンジニアなど役割分担が詳細化されているので、それぞれの担当者がお客様の生の感想や意見を聞くことが少ないように思います。
率直なお客様の意見や要望というのは、制作するデザイナーには直接的には届いていないのが現実です。

その反面、ディレクターとしてお客様の前に立っていると、デザイナーには直接言えないような直球の感想を伺うことが出来ます。(中にはオブラートに包まざるを得ないような直球のご感想をいただくことも多いです。)

Webデザインというと、ユーザービリティーとかアクセシビリティーとか方法論みたいなものが先行しがちですが、実際の制作現場で伺うお客様の率直な感想やご意見には、そういった概念を覆すような、ハッと気づかされる内容が多くあります。

今回は、ユーザービリティーとかアクセシビリティーとか方法論は抜きにして、お客様からよく伺うデザインに対する生の声をまとめてみました。
どのWebサイトでも同じような表現しているからOKだろう、と思いがちですが人によって感じ方はまちまちです。

 

メニューの英語表記が分かりにくい

アルファベットってデザイン的にも扱いやすいせいか、グローバルメニューや見出しなんかによく使われます。日本人向けのサイトなのに、すべてのメニューが英語であったり、英語で併記をしているWebサイトをよく見かけます。

分かる人には分かるので、それが大きな問題ではないと思うのですが、分かりにくいという声を聞くことも多くあります。大抵のWebサイトで使っている英語表記は中高生レベルの英語力であれば読めないことはないのですが、やはりその先にあるページの内容を予測しにくいようです。

例えばWeb制作会社のサイトであればAccessとかWorksと書いてあれば、なんとなくイメージが付きますが、SolutionとかExperienceなんて書いてあると、ちょっと想像できません。
ましてや、検索エンジンでたまたま見つけた方にとってみると、なおさら理解がし難いようです。

考えてみると、チラシとか看板に英語表記ってあまりないですよね。
外国人が訪れるような場合は英語や中国語などが併記してありますが、それは必要に駆られてのことと思います。

Webサイトの場合は、必要であれば英語や中国語に翻訳されたサイトを制作するのが一般的です。
ましてや最近のブラウザは翻訳機能もついているので、英語表記する必要性はありません。

日常生活の中でも英語は普通に出てきますので、まったく英語を使わないというのは極端ですが、何もそこにアルファベットで書かなくても良いだろう、というところには極力英語表記は使わない方が、日本人には分かりやすいようです。

 

タブ切り替えが分かりづらい

情報整理という意味では、制作者にとってタブ切り替えやアコーディオン表示はすごく使いやすいです。1ページの中に情報を詰め込めますし、スクロールもなしで表示できますので、ファーストビューに情報を詰め込む際には重宝します。

しかし、このタブ表示が人によってはすごく分かりにくいようです。

最近パララックスサイトなど、縦にすごく長くスクロールするサイトが多くなってきました。
そもそもWordなどの文書はスクロールしてページを送っていきますので、制作者が思っているほどスクロールにストレスを感じる方は少ないようです。寧ろスクロールして見ていくことを楽しんでおられる方もいらっしゃるようです。
(当社のお客様でも最近は縦長のサイトをご希望の方が圧倒的に増えています。)

たしかに、ファーストビューでどんなコンテンツがあるか予測させることは重要ですが、スクロールをあまりさせないという概念は昔の話になってしまったのかも知れません。

なにより、Webサイトを見慣れている我々にとってはタブ表示は普通なのですが、慣れていない方にとってはすごく分かりにくいようです。
Windowsではタブ表示は当たり前なので、分かるだろ!と思うのですが、人によっては本当にクリックできるのか何なのか分からないようです。
もちろん、タブ自体のデザインによるところもあるのですが、多様してしまいがちなタブデザインの落とし穴だと思います。

 

フラットなボタンは押せるのか押せないのか分かりにくい

近年Apple製品がフラットデザインを採用したせいか、フラットデザインのサイトが増えてきています。
トレンドということで、「フラットデザインで」と依頼されることも多いのですが、一般にサイトをみている方にとってみると、フラットになったことでボタンなど押せるものと押せないものの判別がつきにくくなってきているようです。

私も個人的にはボタンはボタンで突起していないと、見出しと区別がつかなかったりします。
(バナーは突起してなくても分かるのに、不思議なんですよね。)

特に押して欲しいお問い合わせボタンなんかは、ここをクリック!と言わんばかりにボタンボタンしているのが分かりやすいようです。
こういうのは慣れの問題だと思うのですが、一般的にみるとボタンはボタンじゃないと分からないという方も結構いらっしゃいます。

 

小さなフォントサイズは目が疲れる

大きな写真に小さなフォントサイズでメニューが表示されているようなサイトをよく見かけます。
ブランドサイトなどでよく見かけるのですが、写真を見て欲しいとか様々な理由があってのことだとは思います。

ただ、格好良いという理由で、見せたい情報が見難くなってしまうのは良くないです。
制作をしていると、文字のサイズについてもっと大きくもっと大きく、とご要望をいただくことがあります。
そんなに大きくしなくても見えるだろうと思ってしまうのですが、文字サイズって一日中PCで仕事している人にとってみると、「そんなもんだろ」と思っても、そうでもない方も結構いらっしゃいます。
紙の雑誌や新聞、小説の文字はかなり小さいですが、ディスプレイやスマホで追う文字と質が違うんですね。光の加減などもあるのだと思います。

小さい文字を見ていると目が疲れる、なんていうことをよく言いますが、あまり文字が小さいとサイトを見ているのが疲れるようです。
この話を伺った時、目頭をゴリゴリやりながらWebサイトを見ている担当者の方を想像しました。

 

薄い色合いの文字が読みにくい

フラットデザインに付随するのですが、淡い色合いの文字の読み難さです。
特に女性は淡い色合いが好きな方が多いですが、時には文章が読みづらくなってしまうことが多々あります。性別で異なるのかも知れませんが、女性は特に違和感を感じていないけど、男性からすると、もっと濃く!読みやすく!といった意見が出てくるように感じます。

男性担当者のご意見と女性担当者のご意見を比べてみると、その傾向が顕著です。

サイトを閲覧する対象ユーザーの性別や年齢によって切り替えても良いのかと思いますが、文字色の濃さというのは、全体的なデザインの配色バランスからするとベストでも、読む人にとっては単純に読み難いということもあるようです。

 

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いずれもWebサイトをよく見ている方にとってみると違和感を感じないものなのかも知れません。
個人的な感想というのも結構あるので、どの意見を選んでデザインするかは悩ましいところです。
しかし、受託制作だと目の前の方と納得させない限りは前に進みません。

Web制作側の方法論とお客様の個人的な感想やご要望をいかにうまくまとめていくがが難しいところです。

執筆者: 高本

株式会社8bit 取締役の高本です。 社内のWebサービス企画、プログラミングや、売上・請求管理にいたるまで幅広く担当しております。

株式会社8bit (エイトビット)

東京都渋谷区でWebサイト制作、Webシステム開発などを行っております。
キャンペーンサイトやWebサービスの企画・提案を得意としており、自社での経験を元にアイデアをカタチにするお手伝いをさせていただいております。

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